「…あの…もっさん…?」

「どうだ!凄いだろ!みんな!超硬質強化プラスチック素材を使用した、プチ・ホエールタイプのモビルスーツ、これがコードネーム“赤ちゃん鯨”こと『Baby Cruising Love』です!」

もっさんは興奮を抑えつつも、一気に新型モビルスーツの説明をします。

「イメージは以前、デモンストレーションで搭乗したピンク・シャークタイプと似ているが、性能面ではまったくの別モノです。」

「いやいや、そうじゃなくて…。」あ~ちゃんが怪訝そうな顔をしています。

「どうした?気に入らないのかい?あ~ちゃん?」

「いや、デザインは白イルカみたいでカッコイイから大好きじゃよ。」

「あ~ちゃん、これ、めちゃカッコイイじゃん?ウチは大好き~!」かしゆかは相当気に入った様です。

「ウチも、この流線型…凄くカッコいいと思うよ…!あ~ちゃん気に入らん?」のっちも一目で気に入ったみたいです。

「違うんじゃ。さっき、もっさんは水陸両用と言ったじゃろ?これ、どう見ても陸戦は出来んじゃろ…?」

「あ、そう言えば…もっさん、これ、水中戦用モビルアーマー?」

「あ~ちゃん、いい所に気付きました。では…こいつを一番気に入ったかしゆかに乗って貰いましょう。」

「は~い!乗る乗る~音譜

かしゆかはキャノピーを開けて、ちょこんと操縦席に乗りこみました。

「うふふ…!今回もエンブレム付きだ~ラブラブ

「今回のエンブレムは乗り間違えないように付けました。」

「なんで?」

「前回の機体“ポリリズム”は、三機ともデザインは同じでしたから、例えば…乗り違えても構わないんです。」

「しかし、今回の『BCL』は完全カスタマイズ・デザインですから、乗り違えるとかなりまずいんです。(笑)」

「さあ!かしゆか!エンブレムマークの入ったスイッチを押してください!」

「は~い!ポチッとな!」

すると、突然!今まで整備台の上に乗っていた『BCL』が機首を上にして、のけぞる様に大きく傾いて行きます。

「きゃ!?」かしゆかが驚きの声を上げます。

すると胴体後方のドルフィン部分が左右に分かれ、中から足が出てきます。

左右に分かれたドルフィン部分はくるくると巻きあがり、スカートに変形します。

「ああっ!?」 胸のパネルも左右に跳ね上がり、中から腕が出て来ます。

そして最後に、フェイスパネルが開いた途端…!

≪バサ~~!!≫と長い黒髪を振り乱しながら『かしゆか・フェイス』登場です!

見事にドルフィン・タイプから人型に変形を完了させて、腕を胸のあたりで組んでいる『巨大かしゆか』がこちらを見下ろしています。

『うわっ!!巨大かしゆかじゃ!!』『マジ!?ウチらのも?』

「はい。もちろん。あ~ちゃんのはウエ~ビ~ヘア・タイプで、のっちのはおにぎり・タイプです。」

「おにぎり言うな…おにぎりて…!」

「これが人型形態時・『マカロニ』ポジションです。しかも両手には伸縮自在のライト・ウイップも装備!」もっさんはもう絶頂顔満載で嬉しそうです。

「水中戦用と陸戦用を兼ね備えた、これもYASUTAKA会心の作、アイドル戦闘特化型モビルスーツ。」

「それがBaby Cruising Loveなんです。さあ!アイドル戦線に殴りこむぞ!」

『ラジャ~~~!!!』