数字とロジックで経営と現場をExit(IPO、M&A、優良中堅)へナビゲートする。ベンチャーパートナーCFO®、高森厚太郎です。

⬛中小ベンチャーの経営って?

前回の記事「パートナーCFOって何?」に続き、今回はふとした疑問に答える編その2。「外部から経営管理に参画って言ってるけど、そんなことできるの? ニーズあるの?」。この疑問に答えるには、クライアントである「中小ベンチャー企業の経営って何なの?」を考える必要があります。

 

ということで、今回は「中小ベンチャーの経営って?」

 

⬛経営者の仕事は4つ。理念、実務、リソース、渉外。
 

中小ベンチャーの経営者の仕事。私の理解では4つと考えています。1つ目は、経営の理念、それをつくること、浸透させること。2つ目は、実務を回すこと、監督すること。3つ目は、リソースの調達、配分。最後に、渉外活動

会社の仕事は、スタート時は経営者1人しかいないので、当然経営者がすべてを回すことになります。会社が大きくなっていく中で、営業なり、開発なり、色々スタッフ雇っていく。経営者がやっていた仕事を、どんどんスタッフに任せていくことで、組織は大きくなっていきます

 

ただ、この4つに関しては、最後までスタッフに任せることができないと考えています。任せてもうまくいかないというか、自らでやらないとガタガタになってしまう。吹けば飛ぶような、中小ベンチャー企業はなおさら。例えば採用をスタッフに任せても、いい人は取れないですよね。ブランドや報酬で惹きつけられないのなら、経営者の魅力や熱意で惹きつけないと。逆説的には、この4つをスタッフに任せている、自分やらないっていうのは、経営が経営の仕事してないんじゃないのということではないでしょうか。

 

次回から、「経営者の4つの仕事」を一つずつ見ていきます。

 

数字とロジックで経営と現場をExit(IPO、M&A、優良中堅)へナビゲートする。

ベンチャーパートナーCFO®、高森厚太郎です。

 

⬛パートナーCFOって何?

 

初回の記事では、「この仕事(パートナーCFO)を通じてどんな人に何を伝えたいか?」を書きました。

 

コンパクトに、端的に書いたつもりでしたが、よくよく読んでみると、「やろうとしていること。その相手。なんとなく分かるけど…」「そもそも、パートナーCFOって何?」「外部から経営管理に参画って言ってるけど、そんなことできるの? ニーズあるの?」「パートナーCFOの仕事をもっと、言うけど、CFOって色々知っていないといけないんでしょ。私でできるの?」という疑問が湧いてきました。

 

ここでは、その疑問に答えていきたいと思います。まずは「パートナーCFOって何?」

 

⬛外部経営参謀としてストラテジー(経営企画)に起点を置きながら、バックオフィス全部門を所掌

 

私はパートナーーCFOを「外部経営参謀としてストラテジー(経営企画)に起点を置きながら、バックオフィス全部門を所掌。成長戦略をナビゲートしつつ、経営効率(生産性)を上げ、企業価値を向上させる」ものと位置づけています。言わば「攻めのCFO」。

 

 

一般的にCFOというと、経理、財務部門の責任者、ファイナンスについての内外の窓口というイメージでしょうか? 一部上場企業だと、財務経理部門の部門長が、対外的にCFO(最高財務責任者)となるケースが多いかと思います。

 

CXOというCクラス(経営陣)は、CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)という事業系の経営陣と並んで、CFOが並びます。とすると、CFOは財務経理部門のみならず、人事総務などコーポレート部門もあわせた管理系の経営陣と目されることになるでしょう。コーポレート部門だけ切り離して、CHRO(最高人事責任者)が置かれることもあるでしょう。

 

管理系とくれば、経営企画や広報IRを忘れるわけにはいきません。いわゆるバックオフィス、管理部門ではないのですが、事業系とも言えないので、管理系の括りに入ることが多いかと思います。CSO(最高戦略責任者)がいるケースもまれにあるでしょう。

 

一部上場の大企業には、経営企画のスタッフが何人かいて、経営計画の作成や役員会の事務局、M&Aなど特命を担当していると思います。しかし、中小ベンチャー企業では、経営企画専業のスタッフはまずいません。スタッフ抱えるだけの仕事ボリュームなければ、人件費予算もあるわけでなく、経営企画業務がまわせるスタッフがそもそもいない。

 

しかし。経営企画という、経営/事業/組織がわかって、経営マターの調査分析、資料作成や内外調整をしてくれる、気の利いた存在は、規模の大小問わず、経営には欲しいもの。

 

そこで、「ストラテジー(経営企画)に起点を置きながら、バックオフィス全部門を所掌」するのが、攻めのCFO(パートナーCFO)ということになります。

 

⬛パートナーCFOをまとめると

 

パートナーCFOの仕事をまとめると以下のようになるでしょうか。

 

◻使命

バックオフィス統括しつつ、全社成長戦略をナビゲート。経営効率を上げ、企業価値を向上させる。

◻役割

経営企画(事業計画策定、業績KPI管理、PLCF改善、IR、ER、IPO/M&A準備)

組織マネジメント(会議体運営、HRM、PDCA管理)

リソース調達と配分(採用、資金調達、資源配分)

コーポレート(人事総務)、ファイナンス(経理財務)の統括

 

「企業価値を向上?」「組織マネジメント?」etc、初見のキーワードが出てきました。冒頭の疑問、まだ全部答えていません。記事が長くなったので、続きはまた次回以降で。

数字とロジックで経営と現場をExit(IPO、M&A、優良中堅)へナビゲートする。

ベンチャーパートナーCFO®、高森厚太郎です。はじめまして。

 

ブログ最初の投稿なので、「この仕事を通じてどんなひとになにを伝えたいか?」を書きたいと思います。

 

【これまで、これからの仕事】

 

これまでの経歴、銀行、MBA教育、映画・音楽などコンテンツビジネス、Ed-Techベンチャー経営を活かして、現在はベンチャーCFO分野の経営コンサルティングを行うプレセアコンサルティング株式会社の代表を務めています。具体的には、アーリーステージベンチャーを対象に、CFOワーク、事業計画策定や収支・資金繰り改善、組織マネジメント、資金調達、M&Aアドバイザリーを行っています。

 

【アーリーステージベンチャーって?】

 

直近のEd-Techベンチャー経営では、取締役として、事業部門(コンテンツ企画と配信マーケティング)及び管理部門をマネジメントしていました。アーリーステージのベンチャーは「商品はできた、これから事業化でやることいっぱい。事業(作る、売る)が優先、管理(回す)は後回し」です。

 

売上上げないとメシ食えない、次のステージも見えません。なので、事業再優先はOKです。が、管理がマネジメントの仕事となり、意外と管理に時間と意識が取られてしまいます。資金繰りで下手うつ訳にもいきませんし。加えて、成長で人がたくさん入ってくると、社員のスキル・マインドにバラツキは出るもの。経営とスタッフに乖離が生じがちで、組織マネジメントは大変です。そんなカオスな状況では、経営もモグラたたきになり、短中期の優先順位がつけられず、投資家や金融機関にコミットした事業計画進捗が心許なくなります。

 

アーリーステージの事業作り組織作りは、PDCAの早回し。気付きや確信の続く日々。会社や自分の成長が日に日に実感でき、個人的にはなかなか面白かったです。が、私のような、カオス(急成長の歪み)に悩む経営者に対し、「経営面のディスカッションパートナーしてくれて、資金繰りや組織マネジメントのサポートをしてくれる専門家がいたら、もっと確実にスムーズに、マネジメントできるんだけどなあ」でした。

 

【パートナーCFOをもっと】

 

そんな問題意識をもとに、ベンチャー経営者としての実務経験ビジネススクールで教える専門家としての知識を統合し、経営の実務家として専門家として、経営者と目線を合わせて経営管理を一緒に見てくれる人、中小・ベンチャーの社外CFO(パートナーCFO®)を務めています。おかげさまで独立開業して1年余りで10社超のパートナーCFO実績を積み重ねることができました。

経営管理面での経営者のディスカッションパートナーとなり、企業の成長をサポートするパートナーCFO。とてもやりがいがあり、報酬も良く、生涯続けていきたい天職です。もっとも、自分のカラダは一つ、キャパシティの限界で、これ以上のオーダーを受けることができません… ニーズはいっぱいあるのに、パートナーCFOの供給が無いのは色んな意味でもったいない。

このブログを通じて、パートナーCFOの仕事を案内し、パートナーCFOの知識やスキルの汎用化をして、世の中にパートナーCFO的業務の普及をしていきたいと思います。