君を幸せにしたかった。
幸せな家庭を築きたかった。
子供も欲しかった。
でも結局それは叶えられなかった。

君の笑顔を見たくて努力もした。
でも僕の想いは君の心には届かなかった。
結婚と恋愛は別と捉えていた君。
元々、君には僕への愛情などなかった。
結婚生活が上手くいくよう悩みながらも、心は閉ざしたままだった。

お互いに傷つけあい、そして離婚した。

やりたい事があって人は産まれてきた。こうなることは『必然だった』と若く未来に前向きな君は語る。新たな道を見つけ、新たな恋もする君は、これまでの事はこうなる為のステップアップ、その流れとして当たり前のプロセスと、過去を振り返える。

でも年をかさね未来の見えないこの僕にとって、その答えはただの犠牲でしかない。2人で過ごした期間・自分の存在意義・運命をどう捉え、これから立ち向かえばいいのだろう? 僕にもそう考えられる日が来るのだろうか?

君の人生、僕の人生…。
よく解らない。

人生の挫折。結局のところ、自業自得なのだが、すべてを失った。
けれど人間として大切にしなければならないことを学び、自分の甘さに気付くことができた。
それがせめてものの救いと考えるべきなのだろうか…。

守るべきものもなく将来を悲観し、なかなか気力が湧いてこない。

だけど昨日、
親友が『逃げるな』『甘えるな』『過去を後悔して何になる』『人間生きてれば辛いことは誰にだってある』『今、何をすべきか考えろ』と叱ってくれた。
有り難いことだ…。

彼もまた辛いことを乗り越え、頑張っている。

生きる意味などまだ見つからない。
でも…
僕も頑張らねば…
乗り越えなければ…
もっと強くならなければ…。
僕は弱い。そして何事においても考え方が甘すぎる。
僕は無気力・無感動・無関心なモラトリアム人間…。相手に自分の気持ちを正しく伝えることもできない。基本的にいつも誰かに頼っている。自分のことで手一杯な男…。恵まれていたにもかかわらず、周りへの感謝を忘れていた愚か者。今となっては人生そのものをナメていたんだと思う。当然、こんな男に相手を癒やしてあげることなどできるはずもない。

自分の愚かしさから、大切なもの全てを
失った…。
愛する妻、信頼すべき仲間、土台となる仕事、全て、僕の掌からこぼれ落ちていった。親にも多大な迷惑をかけた。

話す相手のいない孤独な毎日…。寂しい…。毎日のように涙がこぼれ落ちる。罪と罰。後悔、そして妻・仲間・両親への懺悔。人間失格。何の為に生きるのか解らない。明日への希望もない。やりたいことも解らない。僕の人生って何なんだろう。持病のアトピーも悪化、鬱病にもなる始末…。再度、失業し、お金が無いにも関わらず、働く気力すら失っている。
この場所から逃げ出したいけど、逃げられない。死んでしまいたいけど、死ねない。

何が大切なのか…を改めて知る。人間、1人では生きられない。妻、家族、仲間 …そばにいてくれる人の存在がどれほど大切なものかを…。

僕はこれからどうしたらいいのだろう…わからない…。
助けてくれ・助けてくれ・助けてくれ。僕にとって、彼女にとって、これは宿命なの?本当に必然だったの?

彼女と出逢ったのは、2000年の春だった。
仕事場で立っている僕の横を彼女が通り過ぎる。小柄でとてもキュートな女の子。制服姿で可愛いお尻をフリフリ歩く姿が印象的だった。隣で上司が『新しく今年入ってきた子やなぁ』とつぶやく。『へぇ、そうなんですか』それが始まりだった。

僕は大手企業に勤める聞こえだけは、エリートサラリーマン。年収的にも世間的に見て、平均以上。安定感もばっちり。そんな僕の前に今年から契約社員で入社した彼女が現れたんだ。

その頃から僕の周りがざわざわと忙しく音をたて動き始めたんだ。

彼女が僕の部署の女の子と会話している。『え~そうなんですかぁ。彼女いないんですかぁ。』『でもダメだと思うし、やめとき。』そんな会話が階段の踊り場から聞こえてくる。それを何気に僕は耳をすませて聞いている。

そしてついに彼女とエレベーターの中でばったり偶然に遭遇したんだ。僕の鼓動が高鳴る。彼女が緊張ぎみに聞いてきた。『この社内ポスターのイラスト、○○さんが描いたんですか?』『あっ、うん。』『凄いですね。』…。こんな感じで初対面を果たした。

いつものように喫茶店でお昼の食事をとる僕。チャーハンに味噌汁。何気なくスポーツ新聞の占い欄を眺める。最近、なんとなくよく当たってる。ここのところ恋愛運、最高なんだ。ひとり心の中でワクワクしながら喜んでいる。ニヤリ。何かいいことありそうな予感。
予感は的中した。