あなたはどんな別れの風景がお好み?

 

私は、船出を見送るような別れの風景が好み。

港で船に乗り旅立つ人を見送る。

ひとり佇み感じる孤独と自立。

寂しさと希望の入り混じった複雑な感覚がじわじわ広がり染み入る。

 

アメブロさんに教えていただいた3年前の今日のブログ↓

母のぬくもりと愛情を感じた最後のハグだっただろうか?

いつ最後の○○が訪れるか誰にもわからないのがこの世。

少しの切なさが胸にじわりと広がる。

 

その切なさと似た過去を思い出す。

 

中学を卒業した3月下旬。

教師である父が離島に転勤になり、引越や挨拶のため両親だけで父の赴任先に行くことになった。

いくつかの離島を結ぶフェリーは週に2~3便。

鹿児島市内の港を夜22時に出港する。

3月下旬のその船の出航には、離島に赴任する教師とそれを見送る教え子や父兄やその他多くの関係者が押しかけ横断幕やプラカードが多数並び港を人々が埋め尽くす。乗船前の挨拶や激励、乗船後のデッキから凄まじい数の紙テープが降ろされ歓声であふれにぎやか。

あわただしく自宅を出発した両親とは港に到着するとすぐに離れた。

大勢の人の群れから少し離れたところから三姉妹は静かに両親を見送った。

賑やかな見送りの儀式を遠目に見守り、出航後徐々に暗闇に消えていくフェリーに手を振り別れを惜しむ。

その風景に感傷的になった。

両親としばらく離れることと妹たちの責任を負うことにに少し切なさがこみ上げた。

ああでもこの時の私にはほんの少し自立できる自由に喜びがあったな。

 

それからもうひとつ。

昨年母が亡くなったとき、似たような感覚があった。

何とも言えない感覚。

ココロとカラダの一部から何かが離れていくような。

 

これまでとこれからを隔てる今この瞬間の余韻ある時間。

不思議な感覚に包まれ、感謝の念が湧く。

 

別れの最後。

ゆっくりとフェードアウトする対象に感謝する切ない時間の風景が好き。