自分ひとりだけで頑張らない介護をするとき大事なことは、自分の意識を向ける方向。
自分、家族(個人個人)、家族全体の雰囲気(空気感)。
自分、家族、家族全体の雰囲気(空気感)をコントロールするのではなく、自分の理想のイメージを持ち、近づけていくこと。
 
認知症両親の介護で苦労したのは、ひとりならまだしも二人同時という点。
特に、父が水頭症の症状で急激に認知機能が低下し、排泄量が増えた時期。
排泄がなんたるかわからない両親のケア。
これが想像を絶しました。
 
その時もちろんプロの手を借りられるだけ借りてもなお足りない状態。
もしもわたし一人で両親のケアをしなければならない事態であったら、殺すか死ぬかだったと確信しています(物騒でゴメンナサイ)。
実際妹たちと連携していても、物騒な親子喧嘩(父と)をよくしていました。現実は厳しい。
 
その時救いだったのが、妹たちやそれぞれの家族に流れる雰囲気(空気感)。
それぞれがその人なりにできることに協力してくれたこと。
家族が協力的な雰囲気(空気感)。
その空気感は介護医療のプロにも伝わって、関わる人たちのほとんどが仕事の範囲をこっそり超えて協力してくださることもありました。
 
つまり介護というものは、ひとりで意固地になって頑張るものではないのです。
だって不幸せじゃないですか?!
なぜわたしたちは家族なんだろう?
どうしてひとりで意固地に頑張る必要があるのか?
それでは、介護する側される側がまず苦しいし、まわりの家族から孤立する。
ひとりで意固地になって頑張るその気持ちはよくわかります、自分も通ってきた道だから。
それでも、です。
自分以外の家族に、少しでもできそうなことを協力してもらう雰囲気作りや言葉かけをしていくことが大切です。
自分の理想像を思い描いて、その雰囲気を自分から少しずつ作ります。
 
 
私の場合理想像は、
・妹たちには積極的に関わってもらい、わたしがいなくても三姉妹それぞれがほぼ同じように両親のケアが穏やかで笑いのある雰囲気でできること。
 
・自分の家族には、私の気力体力も限界を超えている介護の状況の困難さをやんわりと報告し理解を求め、自分のことは自分でしてもらうようお願いし、わかりやすいようにひとつずつコツコツ優しくやり方などを伝えやってもらう。
お願いしてできていたことは、ありがとうと感謝の気持ちを心込めてできるだけ笑顔で伝え、家庭内の雰囲気を穏やかで楽しい雰囲気にすること。
 
 
最初は自分が実践すること自体がかなり難しかったのですが、諦めずに続けることで、雰囲気がよくなり、自分のイメージするような三姉妹が大変な時も笑いがある楽しい雰囲気、自宅に帰ってからは家族と穏やかに過ごす時間が少しずつ増えていきました。
小さなことからコツコツと。
 
雰囲気はそれぞれの感情や思い込みの習慣で作られますから、今の家族の状況を踏まえて、理想をイメージし、自分と相手と全体の雰囲気を意識して日々を過ごし理想の家族像をつかんでいきましょう。きっとできますよ!
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松元佳子