認知症両親は有料老人ホームで暮らしている。
父は、脳卒中、喘息、肺炎など病歴にいとまがない。
母は以前インフルエンザを拗らせ肺炎で救急搬送され入院したことがある。
この時期、両親を思うと切なくなる。
会いに行きたいが会うにはリスクが高い生活をしているわたし。
切なさを感じながら、両親の健康を祈る。
 
認知症両親とは、1か月以上会っていない。
自分の親だけではなく、施設で暮らす高齢者を思えば、軽はずみな行動をするべきではない。
例え両親がわたしのことを忘れてしまったとしても。
例え二度と会うことがなかったとしても。
いつもその覚悟で施設では両親と「さよなら」の挨拶をしているのだから。
 
とはいえ、会えばいつもどこかの瞬間、涙目でわたしを見つめる両親を思うとき、
申し訳ないと思う。
ごめんねと思う。
ありがとうと思う。
 
こんな気持ちを持つ自分を大切に思う。
責めることではない。
現実があってわたしが選択したことだ。
自分の全部を認め受け入れるだけだ。
 
わたしは両親に会いに行かないと選んだ。
だから、両親を思い出したそのとき、
心の中で、
時には口に出して、
両親をイメージしながら話かけよう。
 
お父さん、お母さん、
会いに行かなくてごめんね。
 
自分にも語りかけよう。
両親に申し訳ないと思うようね、わたし。
両親にごめんねと謝るよ、わたし。
会わなくても、両親への愛はかわらないよ、わたし。
わたしの愛をイメージに載せて両親に届けよう。
 
愛してるよ、お父さん
愛してるよ、お母さん
 
口に出して言うとじんわりしみる。
そしてホッとする。
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松元佳子