血管性認知症の父の記憶の調子は、ちょっとしたことで変化する。
父は調子が良いときは、顔がいつもの父で目がしっかりしていて、表情が明るい。
父の調子が悪いときは、顔が険しく挙動不審だったり、顔がのっぺりしていて生気がなく反応が鈍い。
 
下の2年前のブログの時の父は、調子が悪かった。
顔がのっぺりしていて生気がなく反応が鈍かったとき。
 
先日両親の暮らす施設で父に祖母(父の母)の7回忌の話をしたところ、
 
父:よろしく頼むな!
わたし:一緒に行行けなくてごめんね。
父:よかとよ(いいのよ)
 
珍しく会話がポンポンと。
父は祖母が亡くなっていることを覚えていた。
ほんとうに不思議。
 
とはいえ、両親にはいつも家族の近況報告をわりと詳しくしている。
天気や季節の話から、行事や家族の誕生日やお墓参り、仕事などなど。
話をしているとき、両親それぞれ調子が悪いとぼんやりしていたり、上の空だったりすることもある。
が、圧倒的にしっかり集中して聞いていることが多い。
母の相槌が完璧だったり、発する言葉がまともでびっくりすることもある。
父はしっかりしているときは、昔の父よりしっかり話を聞いて励ましてくれるw
 
しっかりとした両親に出逢うと、両親の魂はちゃんとここにあり、認知症になっても何も変わらないのだなぁと思う。
その時間は、お互いとてもしあわせ。
こういう体験をすると、人の本質は認知症になっても何もかわらないと知る。
記憶の調子の良し悪しや、体調の良し悪しで気分の乱高下があることなど、ふだんの自分と変わらない。
 
両親と自分の違いをしっかり認識できれば、今度は両親も自分も同じなんだと納得する。
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松元佳子