在宅介護では、ピンポイントの記録と俯瞰した視点の両方が大事です。
ピンポイントの記録とは、
日常生活の記録、仕事でいう業務日誌みたいなもの。
事実と感じたことを分けて時系列で記録。
(事実)
室内の気温湿度、食事内容、排泄状況、血圧体温、服薬状況、身体状況(からだの傾きがあった、写真)
(感じたこと)
父と母の状態、一日中イライラしていた
視線が合わないことが多かった、不安が多いのか?
〇〇さんが担当のときは言うことを聞かないことが多い
例えば通院時。
主治医に聞かれますよね?
「何か変わったことはありませんでしたか?」
というような質問。
その時にこの記録を使うのです。
俯瞰した視点は、
ピンポイントの記録を健康管理や日常生活を円滑にすすめるためにいかします。
気温湿度、食事内容、排泄状況、血圧体温などの事実の記録から健康・精神状態を良好に保つためのヒントを得る。
例えば、感染症対策。
認知症両親が自分でできることが少ない。
マスクをつけてもいつの間にか外している。
あたりかまわず触るので、消毒をどうするのか?
結局本人ができない、
家族もしょっちゅう見守ることができない、
というので、
本人の対策は、「人込みに出ない」くらい。
あとは、家族が持ち込まない。
認知症両親から家族がもらわない。
感染症になったら、なったときの対応を完璧にする。
結局、ひどく消極的な対策しかできないことがわかり、わかったことで家族それぞれも納得した。
例えば、ヘルパーさんとの相性が悪いと思われるとき、
・接し方を変えてもらう
・ヘルパーさんを変えてもらう
など対処する。
つまりピンポイントの記録とそこから導かれる俯瞰した視点があれば、わからないという理由で諦めることや迷うことが少なくなる。
選択肢が多いと決められなくて迷うし、選択肢がなくても悩む。
そういうときに役立ちます。
そうして、認知症両親の状態を家族や介護関係者と正確に共有し、同じ方向性で進めることができる。
そうすれば、さまざまなことを理解するのが難しい認知症両親が混乱することが少なくなり、落ち着いて日常生活を送ることができるというわけです。
このようなやり方で認知症両親の周辺症状はわりと安定していました。
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松元佳子
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