旅のことばカードから私の話を書くブログシリーズです。
旅のことばとは?
カードの33から40は[みんなのことば]です。
認知症両親と家族に寄り添ってきたわたしのことばを綴ります。
【自分の仕事から33】
自分たちには一体何ができるのだろうか?
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いま日本では認知症だと考えられる人は800万人(予備軍を含む)いるといわれ、これは高齢者の約4人に1人にあたると知りました。
そのとき
認知症の方がよりよく生きるためには、生活のいろいろな場面での支援や社会的な対応が必要ですが、医療と福祉の分野以外ではまだあまり取り組みが進んでいません。
そこで
認知症の方々がよりよく生きられる社会に向けて、自分たちの仕事のなかでできることを考え、日々の仕事に取り入れます。
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「自分の仕事から」「取り組み」「社会」など、ことばがかたいと思うのです。
それに「高齢者」「認知症」ということばで人を分類することに、わたし個人は抵抗があります。
上記本文中に「高齢者の4人に1人が認知症」といわれるとありますが、その高齢者の人口に占める割合は現在4人に1人(出典:内閣府 平成29年版高齢社会白書 高齢化率より)つまり100人に6人くらいが認知症ということになりますよね。これから20年後には、高齢者は3人に1人になるそうです。
ちなみに高齢者の定義は65歳以上の人のこと、65~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者というそうです。(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)
これからの社会とくに地方では、認知症の方が地域で生活するのは日常になっていくのでは?と思います。
だとすれば、認知症の方々はどういう日常生活なら安心して過ごすことができるのか?知ることが大事。
できないことを探して禁止することをやめて、ひとりひとりできることをより長くとどめるために周囲がサポートすることが大切だなと感じます。
わたしたち姉妹は、両親それぞれと食事や買い物や散歩や旅行やドライブをたくさんしてきました。それは、周りの人に両親のことを知ってもらいたいと願ったからです。
「人の目にさらすなんて!」という人もいましたが、まずは知ってもらうことこそ大切。
知ってくださった方は、母が徘徊したとき何度も家まで送ってくださったり、電話で家人に知らせてくださいました。
外食しているとき母に食事介助していたら、子どもが不思議そうに母を見て、「どうして大人なのにご飯食べさせてもらってるの?」と質問されたことがありました。
そのときその子どもさんに、丁寧に説明できて、その子どもさんのご家族が優しく見守ってくださったとき、わたしも母も嬉しく思いました。母はにこにこしていました。
認知症とひとくくりにいっても、症状はそれぞれ程度の差も大きく違います。
まずは、知ってもらうこと。
そうして、優しく見守ってもらったり、できないことをさりげなくサポートしてもらう。
そうすると、お互いを受け入れやすくなります。
特に小さな子どもさんに知ってもらうことは、嬉しいことです。
人はお互いに足りないところを助け合って、それぞれが望む未来を受け取っていけたら幸せだと思うのです。
わたしは、認知症の両親を知ってもらうために、積極的に外出してきました。
認知症両親のことで質問される機会があれば、積極的に笑顔で説明しました。
「積極的」「優しい雰囲気や笑顔で対応」することで、日常生活になじめるようにという願いです。
周囲の人に不安や怖れを与えないように、ふつうにする。
不安や怖れは、知らないこと「無知」が原因です。
まずは、「知ってもらうこと」を心がけています。
わたしの現在の活動の根底です。
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松元佳子
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