旅のことばカードから私の話を書くブログシリーズです。
旅のことばとは?
 
カードの16から32は[家族のことば]です。
認知症両親と家族に寄り添ってきたわたしのことばを綴ります。
 
【いろんな世代30】
いつもの同じ顔ぶれで閉じない。
 
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いつも決まった人たちだけで介護をしています。
そのとき
顔を合わすのが毎日同じ人たちだけになってしまうと、本人の触れる世界が狭くなり、刺激や気づきの少ない日々になってしまいます。
そこで
年齢の離れた子どもや若い人たちなど、《いろんな世代》の人とふれあう機会をつくります。
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・若年性アルツハイマーだった母
・脳血管性認知症を発症した父
 
両親とも子どもが大好き。
自分のことが自分できない母ですが、子どもの声には敏感です。
何をするわけでもないのに、子どもの声のトーンを聞き分け反応し、言葉にならない言葉をしゃべります。
父は、なんとか子どもの気をひこうと声をかけたりすることがよくあります。
 
その次に両親が興味を示すのは、若い10代から20代。
年長者らしく何か伝えたいと本能が働くようです。
 
そんな時の両親の顔つきは、いつもと違っています。
生き生きとした笑顔です。
 
いつもの私たち姉妹に、お世話してもらうという受動的でいささか投げやりな日常生活。
感じることを放棄してしまったように無表情。
 
一方若い世代との交流は、両親の能動的な気持ちを引き出します。
相手のことを理解しようといつもは反応の鈍った五感のアンテナがピンと立つのがわかるようです。
 
刺激のある生活は、親だけでなく、介護をする私たちに「親のいつもと違う反応」を気づかせてくれます。それは日常をスムーズにおくるためのヒントをもらえる貴重な機会です。
 
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松元佳子