アルツハイマー型認知症で、
要介護5の母。
生活は全介助。
言葉は話すけれど、
会話するにはエスパーなみの
テクニックが必要かな(笑)
おそらく母も言葉としてわたしの話を
聞いているわけじゃない。
テレパシーみたいに
脳の生きてるニューロンが
共鳴して理解しているんだろうな。
母を見ていると不思議な気分になる。
母が生きている意味はなんだろう?
その意味のひとつは、
きっとわたしのため。
人生の大切なほとんどのことは、
母が身をもって教えてくれている。
時折わたしを見つめる母の目は、
慈愛に満ちている。
「有り難う❤お母さん!」
感謝しかない。
母が生きているのにわたしは、
もうずいぶん長い間
母に会えていない気がする。
母が死んでしまったかのように
懐かしく思うことがある。
それは会話ができないからだろうか?
でも母はちゃんと今生きていて、
抱きしめることができる。
母の背中を優しく暖かい気持ちで
さすることができる。
母にわたしが求めている思い
日常生活のあれこれで甘えたり、
支えてもらいたかった。
一緒に野菜を作ったり、
作った野菜で漬け物をつけたり、
保存食を作ったり。
母の趣味に付き合ったり、
わたしの趣味に付き合ってもらったり。
教えられたり教えあったり。
おしゃべりしながら買い物したり、旅行したり。
今までしてこなかったわけじゃない。
やって来たけれど。
やぱり、寂しく思うことはある。
街中で90代の母親と70代の娘さんが、
楽しげに会話しながら
お互いを思いやりゆっくり歩いている様子
を見ると羨ましい。
それはわたしには叶えられない夢だから。
だからといって。
わたしがわたしのことを不幸だなんて
今のわたしは思わない。
でも涙は溢れる。
あたたかい涙が。
いつも大切な母を守りたくて
わたしは頑張ってきたんだ。
だから、母はわたしにこたえてくれるんだ。
いろんな愛のカタチがある。
わたしと母の愛のカタチを大事にしよう。
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松元佳子
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