旅のことばカードから私の話を書くブログシリーズです。
旅のことばとは?
【自分をあらわす部屋8】
好きなものや大切なものが自分らしさを感じさせてくれる。
本来なら父や母それぞれのことばを綴るものですが、父や母を見守ってきて感じたわたしのことばとして書き記してみます。
自分の記憶が薄れていくことに不安を感じています。
・若年性アルツハイマーだった母
発症から10年を過ぎた頃から、本来の母らしさ(つまり好きなデザイン、カラーといったような本質的な)が少しずつ少しずつ薄れているように感じました。
発症から10年を過ぎた頃から、本来の母らしさ(つまり好きなデザイン、カラーといったような本質的な)が少しずつ少しずつ薄れているように感じました。
母が自分をあらわすことをどのように捉えていたのか、わたしにはわかりません。
なぜなら母は自分をあわらすことを極力おさえているような人でした。
でもだからこそ母の変化にわたしは敏感で、母らしさが薄れていくことは、とても悲しく切ない気持ちになりました。
母の好みは次第に変わっていきました。
それは母が素の母に戻っていったからなのか、興味を失ってしまっていったからなのか、いろいろな要因が考えられると思います。
それは母が素の母に戻っていったからなのか、興味を失ってしまっていったからなのか、いろいろな要因が考えられると思います。
母の興味は生活から習慣身だしなみ食事・おやつとどんどん小さくなっていきました。
そんな母に合わせて母が喜ぶかもしれない洋服やおやつを選ぶことは、例え時間やお金がかかってもあまり妥協したくないわたしにとって大切な時間になっています。
こうやって選んだ洋服を母に見せてその反応を伺う時間や食べやすさやカロリーや母の嗜好を考えて選んだおやつの食べ方を観察しながら楽しんで食べてもらう時間はとても愛おしいものです。
母らしく過ごしてほしい。
もはや母の願いではなく、わたしの願いになってしまいました。
それでも、母の好きなものを、好きだったものを母の部屋にひとつでも置くこと、届けることをやめたりあきらめたくない。
ふと母が昔の母に戻るときがあるような気がしてならないからです。
そんなとき母に安心してほしい。
・脳血管性認知症を発症した父
父は読書と音楽が大好き。
自宅では、ごみ屋敷のようにモノに溢れた部屋で過ごしていました。
わたしにはガラクタに思えるものも父には宝の山だったのか?どうか?!(笑)
今では、数冊の本とハーモニカ2本とラジオが父の人生を物語る大切な部屋になくてはならなものです。
それが父らしさを表すものだから、父はそれがあれば安心します。
特にラジオは電池切れで聞こえなくなったりすると暴言暴行動になるほど。
大切なものの存在で安心できるというのは幸せなことです。
わたしは、どうだろう?
人生の終いに必要なものは、ごく少数。
認知症両親から学ぶことはたくさんあります。
普通じゃないけれど、この学びが両親からの素敵な贈り物です。
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松元佳子
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