認知症の両親の現在の状態。
父は脳血管性認知症で要介護4、車椅子。
母はアルツハイマー型認知症で要介護5、全介助(トイレ食事着替え入浴など)、自立歩行。
認知症といってもその種類は様々で症状も人それぞれ。
認知症のそれぞれの特徴や症状を理解するのは基本中の基本。
そして、それぞれの状態にあった対応を見極める。
相手をひとりの人間として尊重し例え嫌いな親でも尊厳は守り、信頼関係を築く。
両親とも一度に多人数が話しかけるのはNG。
集中して何かを話したり、したい場合は、1対1で顔を合わせて話す。
その他の人は親に話しかけない。
大人数で過ごすときは、親に対して子の誰かが隣で注目し、隣にいますよと手を握ったりするなどし、とにかく不安になる隙を与えないことが重要。
話しかけるときは、おだやかに活舌よく声をかけながら親の視野に入りしゃべる。
何か親にしてほしいときは、理解するまでしてほしいことを繰り返し伝え、言葉が通じない場合は、優しく穏やかに声をかけながら必要な体の部位を優しくトントンと触れる。
このとき親に声をかけずに強引に動作を強要するのはNG。
親を自分の意のままに動かそうと強い語気で強引にからだの部位を掴んだり触ったりすると、親は恐怖を感じて激しく抵抗する。
この抵抗が事件事故を引き起こす。
書いている私も読んでいるあなたも当たり前だと思うだろうが、実際現場でこれが出来る家族や職員は非常に少ない。
自分の日常生活を振り返ってみればわかることだが、健常者ならば声をかけなくても相手を見れば、話の流れで次の行動は口に出さずとも理解し、自ら行動に移せる。
しかし認知症の親は、手順や自分のからだの部位の感覚を司る脳の機能が低下しているため、想像することが難しい。
脳の回路もゆっくり誤作動しながらようやくつながる、そういう感じなのだ。
健常者なら無意識にできることを、意識的に集中してもなかなかできない認知症の親というのは、常に大きなストレスにさらされているということを子のわたしは自覚する必要がある。
「なぜ認知症の親は突然暴れだすのか?」と考えた時、このことはヒントになるだろう。
つまり子のわたしは、常に親の状態を五感をフルに使って観察し、親が今どういう状態かを推測し、少しでも安心してストレスが少なくなるような環境を整えることがお互い穏やかに過ごすために重要。
親が大きなストレスを抱えている分だけ、子のわたしもそのストレスに見合ったストレスを受け取ることになるのはバランス上当たり前のことなのだ。
ということから、一緒に過ごす時間の長短によって、何にどのくらいの配慮をするのか?ペース配分を決め、無駄にお互いストレスを大きくしないよう注意し、ゆとりある計画をたてよう。
子のわたしと認知症の親とのストレスのバランスをとることがスムーズに過ごすコツ。
~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~
松元佳子
☆facebook
☆Instagram
☆Twitter