認知症両親が自宅で暮らしていた頃。
母のアルツハイマーが進行し料理を作れなくなって、父が料理をときどきしていた頃のことです。
遂に父もボケが進んできて、火事寸前という危ない事態が度々起こるようになりました。
もちろんあらゆる予防策は施していたのですが、
認知症の症状の怖いところはそういう予防策を、
・思いもよらずすり抜けたり
・誰かに助けてもらったり
・一瞬まともな感覚に戻ったりして
すり抜けてしまうところ。
そのためまだ使用できる昔ながらのガスレンジを交換することにしました。
となると、ガスか?電気か?です。
ここで、問題になるかもしれないことがいくつか考えられます。
認知症の父が、
①火を使わなければご飯もお茶も冷たいままで、かといって新しい家電の使い方を覚えられない状況である
②本人のプライドが高く、そこを強引に電気にして使えなくしてしまうと、認知機能が急激に低下する可能性が高い
③もしも電気にした場合、通いのヘルパーさんが使えない
このとき、すでに来てもらっていたヘルパー3人の方は、電子レンジを多機能のものに買い替えただけで、使ったことがないから使えなくて困ると苦情を言われた(驚いた!!!)
④このままでは、いつか火事
⑤ガスは火が見えるので使っている実感があるが、電気は使ったことがないため、コンロの場所がわからず使えない、火傷したりする可能性が高い
(このことは、母が通っていた認知症対応型デイサービスのスタッフに実例として教えてもらった)
などなど。
というわけでショールームに見学に行き、ガスか?電気か?比較検討しました。
上記の項目を検討し、やはり電気よりもガスということになりました。
その決め手は、
①使い慣れたガスレンジ
②ヘルパーさんがIHを使えない
③もしもガスをつけっぱなしにしても、センサーが感知し一定の時間がたてば火が消える。
④見えにくくわかりづらい場所にロックがあり、勝手にガスレンジを使えないようにできる。
認知症在宅介護では、このように生活に密着した問題がたくさんあって、そのたびごとに多方面から検討していくことが必要になります。
認知症の人や家族それぞれの効率や金銭などの問題として簡単には片づけられないことが多く悩ましい。
そういう時に指標となるのが、
認知症の親がどう生きたかったのか?
親の信条は何か?
と、それを見守り介護する家族の、
家族自身が親とどうかかわりたいか?
家族の信条は何か?
ということです。
ご参考までに。
~~~~~~~~~
松元佳子 お問い合わせ
☆Instagram https://www.instagram.com/kosyokosyokosyo/
☆Twitter https://twitter.com/YoshikoMbpe