毎週末土曜日を両親と姉妹で過ごすようになったのが2001年大阪から鹿児島県鹿屋市に私たち夫婦が引越してきてから。
用事があるときは、気軽に休めるけれども、基本は家族5人全員集合と決めた。
 
理由1)母のアルツハイマーの症状に家族が振り回されるようになった。
 例えば、テレビでみたことを、自分が体験した事実として話すようになったこと。
はじめの数回聞いたときは正直驚いて、母にくってかかりそうになったことを覚えている。
「お母さん、嘘をつくのはやめてよ!テレビでさっきみたことでしょ?!(怒り)」
 
 これを機会に週末はドライブしたり、旅行したり、私の住む鹿屋に泊まりに来てもらったりするようになった。つまり、思い出作り。少しでもまともなうちに、家族旅行やドライブの楽しい思い出を作りたいというのが三姉妹の共通の夢だったから。
 
理由2)両親が家族や親族といる時間が好きだったから
 どうやら家族でいると、それぞれが別のことをしていたとしても精神的に落ち着くようなので。妄想や物忘れや記憶がないことを自覚し始めた母は不安定だった。父もその母を怒ったりいちいち反応してぎすぎすした日々。姉妹が間に入ってわいわいおしゃべりすることで気分が紛れるようだった。
 
 家族で安心できる時間をもつことで、症状の進行を遅らせたいという一心。
 
理由3)毎週集まることで両親の変化を見逃さないこと
 アルツハイマーの症状は、母自身の精神状態によるところが大きいため、どういうときにどういうことが起こるのか、それはどうしてか、どう対処すればいいのか?そういったことを姉妹で細かに観察し分析し話し合うため。
 母の症状の現れ方には、パターンがあるものも多かった。
 音に過敏に反応する。
 母にとって子供の頃口ずさんだ懐かしい曲(童謡や唱歌など)を一緒に歌ったりすると笑顔になる。
 外出して自然に触れたり、母の大好きな花をみると、晴れやかな表情になった。
母の五感を刺激することで、不安な妄想に取りつかれることなく過ごすことができた。
 
そういった母にとって心地よい状況はどんなことか?どれくらい安定していられるのか?何がきっかけで、妄想が始まるのか?などを観察し、変化を話し合って、次に何をするか決めたりした。
 
日ごろは夫婦二人だけの生活が主体だったので、姉妹が集まることで日常に変化がうまれた。この変化が母の脳の活性化に随分と役立ったと思う。さらに、外出することで脳への刺激が増える。姉妹と一緒だから安心感もある。心理的に安定したこともよかった。
 
もしも家族や親族に認知症の方がいたら、一緒に過ごす時間を大切に。
その時間を無為に過ごすのではなく、有意義に過ごすには上記のようなことを意識していただけたらと願う。
 

IMG_20170616_232006672.jpg

母の安心ポイントを探すわたしの図

 photo by 櫻木よしこ
~~~~~~
松元佳子
Effect_20170603_073328.jpg
☆認知症介護に関するお問合せ
メールアドレス:kakoma160228☆gmail.com
☆の部分を@にかえてメールください。