認知症両親の介護を真剣に取り組んできた結果、様々な能力が鍛え上げられたなと思う。

 

①危機管理能力

認知症の、とくにアルツハイマー病の母。

どんなとんでもないことをしでかしちゃうか予測不能。

(本人にしでかす意識はないことをお断りしておきます。表現上しでかすを使用)

 

ひとつのしでかしから、

例)トイレがわからなくなって深夜に廊下の片隅で、、、

 

次はもしかしたらこんなこととか?

例)明るくしたら迷わないのでは?

 

そんなこととか?

例)トイレまでの動線を変更したら間に合うのでは?

 

まさかあんなこととか?

例)最悪間に合わないなら、床面を掃除しやすい素材に変更したらいいのでは?

 

っていう
もしもを想定してしでかしを防ぐ方法、

もしもしでかしても被害が最小限に抑えられる方法、

つまり危機管理能力をえげつないほど磨き上げられました。

先回り能力ともいう。

(ここに書いた例えは介護のガイド本などにある基本)

 

但し要注意事項があります。

先回りしても、

・本人ができることは本人にしてもらう

理由)リハビリや能力維持のため

・失敗が増えそうだったら、失敗して自信をなくさないよう、できるところまでさりげなくサポート

理由)プライドを尊重するため

 

 

②緊急時対応力

もしも行方不明になったら

もしも救急車を呼ぶ状況になったら

突然入院することになったら

認知症両親には、突如何が起こるかわからない。

1回目の教訓から

緊急時はメモ魔になる。

準備できることは何があるのか?

常備するべき書類などは?

緊急時に無駄な時間や行動が減るので、

ただでさえ消耗しがちな体力やストレスを最小限に。

自分が動けない場合、

家族にどんな指示をだせば対応できるかシミュレーション。

 

 

③柔軟な段取りと実行力(行動力)

自分の計画が覆されることや

想定外しか起こらないとかままある。

ただ認知症の両親に振り回されるのではなく、

相手の状態(病気の症状や体調、心理など)を何パターンも想定して

誰がどう動けば効果的にその場を収めらる可能性が高まるのか?

誰から何と言われれば聞いてもらえるのか?

どんな言葉を使えば、素直にしたがってもらえるのか?

一瞬のタイミングを逃すことなく攻め込むように対処する。

失敗したらさっとひく。

聞かれたことにはしつこく答えるが、

指示するときはわかりやすくさらりと。

笑いや笑顔を引き出し安心できる環境つくり。

 

介護をすると、

人間の能力の素晴らしさを実感、感動。

生きるのに必要な能力すべてを試される。

覚悟がなければ、倒れる。

死の足音を聞きながら、

両親の生きる道を判断をするのは、

想像するよりずっと胸を締め付けられるように辛い。

 

いちばん大切なのは、

認知症両親を支える自分自身の心身の健康。

自分が倒れた時点でアウトとならないよう引き継げる人を作り、

情報を共有する。

絶対ひとりでは何もできない。

さまざまな職種の方々と両親を支えてきた。

今もたくさん支えていただいている♡

 

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松元佳子