これまでの認知症両親の介護で何が大変
かというと、
自分の親なのに、
コミュニケーションがうまくとれないこと。
 
親子だからお互い様とはいえ、
お互いああいえばこういうの繰り返しに
なりがちで、
お互いのプライドの高さからだんまり、
親が子の自分に何かを求めても、
子としての自分の家族や仕事を考えて、
応えられず、
子が親と自分たちの将来を思って
色々提案したとしても、
親は自分たちのやり方思いを変えられず、
結局、気持ちの行き違いすれ違いで、
お互い気まずくなる。
そうすると、お互いメンタルが弱る。
この繰り返しで悪循環。
 
認知症の症状は初期から中期にかけてが、
最も変化を激しく感じるし、
それを本人も家族もあまりにもショックで
受け入れがたい。
 
そういう段階で、
介護保険申請、病院受診、
薬の服薬、副作用、周辺症状、
認知症の症状、
さまざまな目まぐるしい変化が
否応なしに訪れる。
 
そういう状況を、
大家族や田舎で経験したことがない
核家族世代で私はいきなり経験した。
それがどれほどの負担か想像できるだろうか?
 
人生の一大事、どうすればいいのか?
まずこのような状況は受け入れがたく、
それが正常な反応だと知ること。
特別なことではない。
高齢者の認知症は単なる老化だ。
 
そのうえで、
どう生きたいか、
それぞれ親も子もお互い後悔のないよう
考えていくことが前向きな解決策だと思う。
どんな選択でも、
それぞれがベストだと思う生き方を
伝え合おう。
出来るところは協力し、
それで妥協できるところまで折り合う。
後悔しないと納得できる妥協点を探ればいい。
 
他の親族が兄弟姉妹がなんといおうと、
ご近所になんといわれようと、
自分たちの決断に自信をもって生き切ればいい。
これが今のわたしに言えること。
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松元佳子