こんな絶望的なタイトルでごめんなさい。
ですが、そう思っておいた方がいい。
介護の現実は厳しいのです。
ほんとにそのうち、
うっかり殺しちゃうか、
殺されちゃうかもしれませんよ。
 
なぜかというと。
認知症介護の難しさは、多種多様です。
気力体力経済力、どれも十分すぎるほど
準備が必要だから。

その中でも難儀だなぁと思うのは、
気力、自分の感情との付き合い方だ
と思います。
 
いつまでも変わらず元気だと思っていた
親がだんだん壊れていく。
親自身ががそのことを受け入れられればまだまし、
親自身が受け入れられない場合、
修羅場です。
 
親自身が受け入れられないことを、
子である自分が受け入れること、
かなりの困難だと思います。
 
心理学では、
その本人の病気を受け入れたり、
介護する家族が受け入れる心理的な
段階を4段階にわけています。
学問になるくらいこころの葛藤はすごい。
 
とにかく、
自分の感情を不安定な中でも
安定させることができるように、
準備が必要。

絶望して命を失わないために。
何のために生きてきたんですか?
なぜわたしは生きていなければならないんですか?
と疑問を持たないために。
 
さて、何を準備するかというと。
親子、兄弟、親族関係をスムーズに
しておくこと。
誰に何を手助けしてもらえそうか
検討をつけておくこと。
円滑な人間関係が築けるよう
コミュニケーションスキルをあげて
おくこと。
 
そういうのが嫌な場合、
十分なお金を準備しておくこと。
人が介護を受けながら生きるために
必要なお金がどのくらいか想像できますか?
 
「介護は割り切る!」
現実とシビアに向き合うことです。
これが、難しい。
それぞれ性格があり、生き方が違う。
 
常に自分に向き合って
生きる姿勢が必要。
自分がどう生きたいか、
が決まっていれば、
おのずと自分の選択が決まります。
 
親はボケたとしても、
子の幸せを願っているもの。
あなたの選択を親にしっかり
話しましょう。
あなたが親なら子へ自分の意思を
話すこと。
 
常に迷いながら歩んできた私。
両親は私の質問にまともに
答えてくれませんでした。
そういうタイプの親だった。
 
両親それぞれにきちんと
話ができるようになったのは、
認知症両親の症状が進行してから。
私が両親のタイプに合わせて
話せるようになったからです。

あらゆる修羅場を経験してはじめて、
相手の今の状況に寄り添うには
どうすればいいのかが
理解できるようになりました。
 
両親それぞれ軽度から中度の時期は、
お互い気持ちは一方通行で平行線。
 
若かったというのもあるし、
本当に相手の気持ちに寄り添えなくて、
それは親子だからというのもあるし、
親自身が自分やパートナーと
様々な葛藤があったから。
お互いに決めつけや思い込みがたくさんあって、
こころの内をさらけ出して話せなかった。
 
親も子も未来に恐れや不安でいっぱい。
そんな時に冷静でいられるわけがない。
どうにもならないそう思うとき、
時間に任せるしかないこともある。
何かにつけ、塩梅が難しい。
 
認知症の親の介護では、
自分の子どもと関係がおかしくなったり、
自分のパートナーときちんと話ができなくて、
別居、離婚そういうこともありうる。
孤独が深まりがち。

自分は、
そして自分の家族は大丈夫だろうか?
 
自分のまわりの大切なものひとつひとつ
考えて話しておきましょう。
自分の希望、相手の希望を
話し合って理解しあいましょう。
 
一緒に歩んできた時間を慈しみながらすごせるように!
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松元佳子