同じことを何度も言うのは、あるあるです。

どんな対応がいいのかといえば、「毎回初めて聞くかのように、真剣に、聞く。」

慣れればなんてことないんですが。

これを聞き始めたころは、「そんな日はこない!」と思いました。

だいたい、頭のおかしい人と一緒にいると、自分のほうがおかしくなります。

1日中目を離せない人をなにかしでかしたり、危険なことがないように、と見守っているだけでもイライラなのに、目があうと、探してまで、同じことを繰り返し繰り返し言われる。

しかも!あんなに自分に厳しかったしっかりものの親が!です。

えーーーー!なんでーーーー!

恐ろしいほどの被害妄想に取りつかれ。

ここらあたりで介護鬱かなと思いました。

 

さて。

それで、どうしたのかというと。

生真面目な性質なのと、人間観察が好きという自分の特性をいかし。

セオリー通り、毎回初めて聞くかのように、真剣に、聞く努力にどえらい葛藤と、時に無視したりも挟みながら勤しみ。

相槌の種類を試したり。

聞き方を変えてみたり。

あほみたいな努力を積み重ねた結果。

両親それぞれにあった対応というものがわかるようになりました。

ただし、これは、ほんとに個人個人に違いがあり、「これが正解です」というわかりやすい答えはありません。

それは、あなたがあなたの目の前にいる方とコミュニケーションを根気強くとり続け、試行錯誤しながら探し出すものなのです。

 

今回は思いつくままに書きますから読みにくいところはごめんなさい。

私がお伝えできるのは、ささやかなコツ、ヒントです。

「同じことを何度も言う」のを「毎回真剣に聞く」ことです。

この時、何度も何度も同じことを言う、その理由を考えながら、聞いてみます。

 

大切なものがなくなった。

泥棒が来た。

子どもがいる。

○○さんが△△で~~~~~~の~~~~なって、~~~なのよ。(長めのお話し)

家に帰りたい。

 

我が母は、こんな感じでそれぞれ何度も何度も何度も一日中言ったりします。

その場合の原因は、ほぼ不安、恐れというか安心したいという欲求。

悪いことしか考えられなくて、常にそのことばかりに思考を支配されてる感じ。

その話が出てくるタイミング、時間帯もあります。

人は生き物、リズムがあり、恐怖心配を感じるととっさにいうことすることがある。

そこらあたりを丁寧に観察。

 

自分の呼吸を整えてから、相手に対します。

なぜなら、相手は感情に過敏に反応し、同調する力に優れています。

イライラしたら負けです。

負のスパイラル突入。

 

目を合わせられるようなら目を合わせて、

手を握れるようなら手を握って、

背中をさすれるようならさすりながら、

腰を据えて、話を聞いてみます。

 

質問は相手の不安を煽ってしまい、

さらに興奮させてしまうことがあるので、

慎重に言葉を選びながら、

優しく語り掛けます。

 

一緒に時々相手に触れながら、

ここは安心な場所なんだと肌で感じてもらえるような、

雰囲気つくり。

 

体調が悪いのを察してほしくて、違う言葉で言っていないか?

そばにいてほしいといえなくて、攻撃的な言葉で関心をひこうとしている?

何かを直接伝えられなくて言えなくて頼めなくて、自己防衛反応な言葉ではないか?

素直になれない人の場合、こんな感じ。

 

あとは、ただただからだの痛みやイライラを鎮めるために、しゃべり続けることで、気を紛らわしているのではないか?

 

言葉や体に触れることやなんかで、状態を観察し、原因を分析する。

どういうときにどういう風に始まりどんな言動にどういう風に反応するのか?

 

相手の子どものころの生活履歴から、相手の不安恐れの原因を推測し、言葉かけを工夫してみる。

 

単に、お腹がすいて不機嫌というのもあったし。

喉が渇いて(水分が足りない)というのもあったし。

わたしが感じるよりもっと、暑い、寒いとか。

便秘が気持ち悪いとか。←最大の要因だったりする。たとえ服薬してたとしても。

薬が合わない。←これも意外と多い。

 

言葉にやさしさや思いやりをのせること。

柔らかな表情やにこやかさ。

人はマイナスの感情のとき、体調が悪いときは、からだが固い。

相手をほぐす気持ちを持つ。

 

親子でも相手は違う人間。

育った環境も、親も違う。

大切なものも思いも違う。

とにかく自分とは違う!

違うということを認める。許す。

親への自分の執着を手放す。

 

そして。

聞けないときは、聞けないといっていいのです。

私はいいます。

「お母さん、わたし今日はすごく頑張って疲れたから、これ以上お母さんの話を聞けないの。ごめんなさい。」

怒り出すときもあれば、

慰めてくれる時もあります、「大丈夫?」

自分が聞いてばかりじゃないといけないということはないとわたしは思います。

自分の言いたいことも、言います。

言い方はなるべく考えます。

相手も自分も分かり合えなくて、伝わらなくて。

同じにもどかしい。

だから、しょうがない。

そう割り切ってもいいと思います。

 

ところで。

「同じことを何度も言う」ですが。

根気よく聞いていると、ある日突然そのことを言わなくなることもあります。

違う言葉に変わったり。

話が決まったストーリーだったのが、登場人物が変わったり、場所が変わったり、変化があることもあります。

すかさず、突っ込みましょう。

「あれ?今日は○○さんはどうしたの?どっか出かけた?」

話を真剣に聞くという姿勢が相手との信頼関係を深めます。

信頼関係ができてくると、ちょっとした声掛けで収まることもあります。

回数が減る。

つまり、不安や恐れを感じる瞬間が少なくなればいい。

そのための工夫をする。

わたしの経験では、こんなことを実感しています。