不幸な認知症 幸せな認知症
日本医科大学高齢者専門医
上田諭 著
マガジンハウス
読後感想です。
こういう専門医の先生に見ていただける本人や家族はうらやましい。
自分や家族が認知症になっても日々をスムーズに過ごせるよう努力を厭わないという方に、超おすすめです。
認知症について、治らない病気という点では残酷だけど、それを受け入れ徐々にお付き合いすれば大丈夫な病気と認識できればいいと両親をみていて思います。
内容
第一章
認知症になったらどうしようと不安に思っているあなたへ
第二章
認知症と診断されたあなたへ
第三章
認知症のご家族、友人、知人、介護職のあなたへ
病院で診断を受けたけれど、かかりつけ医がいるけれど、何か納得いかないとか、先生のいってる意味は、どういうことなんだろうな?どうして?なんで?って思うようなことが、わかりやすく端的に書いてあります。
具体的な方法はこれです、とわかりやすい解決法ではないかもしれませんが、解決法の種類や具体例、ヒントになることはたくさんちりばめられています。
お薬飲んでるのになんでよくならないんだろう?という疑問なんかにはズバリ回答。
その背景なども書かれているので、知らないより、知っていればちょっとすっきりすることはありますよね?そういうことがたくさん書かれています。
なんでも決めつける、薬で解決しようとするのは不幸。
本人の話をよく聞き、家族(周囲の人)の対応が本人の自尊心を労わることができたら幸せ。
その理由が丁寧に拾われています。おもにアルツハイマー病についてです。
人は一人ひとり違うのが当たり前で、それぞれに向いてる向いていないというのがあるし、それさえも時間の経過で変化していくもの。
そうして誰しも受け入れられ認められたいもの。
変化を恐れない、そのままでいいよ、という心構えこそ必要なのでしょう、と思いました。
年をとるということ、受け止めていかないとな!