妹は、ため息をつきながら
「だってさ・・・あれから全然、夢にでて来ないよ」と言った。
「でも・・・会ってるんだと思うよ、毎日」
「そうかなぁ・・・・」
「覚えてないだけよ、他にやってるコトがいっぱいあって
宇宙船の中で、いろいろ勉強してるでしょ・・・そう思わない?」
「あ、それは思う、時々夢の中で、『そぉ~なんですか!』
とか、言ったりしてるもんね・・・確かに」
「でしょ、もうスゴいこと勉強してるんじゃないかなぁ、今まで聞いた事も
ないような事ばっかり、多分」
「覚えてないけどね、なに聞いたのか・・・」
「うん、時たま、欠けらだけ頭に残ってたりするよね、気になるから
もう、調べまくるけど・・・・
「で、答えがわかるの?」
「これだ!という答えには、あんまり辿りつけないけど・・・・・
調べるうちに、へぇ~~っ、というような事を たくさん知るわけよ
夢の中から、持ってきた言葉がきっかけでね」
「あ、そうだね・・・ほらこの前教えたでしょ!・・・シーシン」
「シーシンね! タイの王様の名前だったよね、アユタヤ王朝の」
「そうそう、・・・あれ、お姉ちゃんがネットで調べて
教えてくれるまで、人の名前だというのも知らなかったし」
「お家騒動で、最後は処刑された人よね・・・・
山田長政という人知ってるでしょ、あの人も関係してたみたいよ」
「そうなんだ!・・・・でもさ、ダレと話してたんだろうね?」
「・・・案外、本人だったりして、」
「すごい!シーシン殿下と、てこと?」
「もうひとり、この頃だと、ほら・・・・あの加藤清正公もいるのよ」
「へぇ~~っ!、もしかして、」
「うん、清正公はハイヤーセルフでしょ、あんたの
もしかして、もしかしてねぇ・・・そうかもよ」
「おお、いいな・・・・うん、でもどっちだろ?」
「あの頃、清正公もベトナムとかに行ってると言う話しもあるし」
「そうなんだ、・・・・でも、覚えてないのよ
・・・・会いたかったのに、清正公!」
と、いつの間にか、ツインフレームさんなど、どこかに
行ってしまっている。
「ツインフレームよりも?」
「そぅ言われると・・・・やっぱりツイン・・・とか言うと、悪いね、清正公に」
と小声で言って、辺りを見回した。
「うん、今、ゥオッホン!て、咳ばらいが聞こえたような」
「フフ、牟田のじいちゃんみたいな?」
「そう、そう」
「ツインフレームってさ、ほんっとに・・・完璧だよね!
・・・・特に・・・何ていうんだろ、あの目、」
「もう何もかも、わかってるよ、っていう目でしょ・・・自分の全部が
受け入れられて、その中にすっぽり入っちゃってる感じの、」
「そう~・・・もう、言葉なんていらないのよ、いいな~・・・」
「ねぇ~でさ、会ってから思うようになったんだけど・・・自分達って、多分
意識の深~い処で、そういう相手がいるってことを知ってるんじゃないかな」
記憶に残ってるんじゃないかと思う・・・・・だから、
誰と恋愛しても、結婚しても
・・・いつか、どこか違う?、と思い始めるんじゃないかな、って」
「そういう事か、なるほど」
「無意識に、ツインフレームという、相手の面影を
一生けんめい追っかけてるのよ、」
「完璧なね、だとしたらダレが相手でもダメじゃん、
・・・・・かわいそうに、」
「モアイさんとか、おにいちゃんとかでしょ、」
「うん、勝ち目のない相手と比べられてさ、ダンナさんさせられて」
「そう思うと、ちょっと申し訳ない気持ちがしてくるんだよね」
「ちょっとね・・・でもさ、モアイさんとか、ウチのおにいちゃんにも
ツインフレームがいるわけだし」
「そこよ、
あの人たち、ツインフレームっていうのを知らないでしょ、
聞いても信じないし・・・・きっと、
だから・・・・・・・・会えるかなぁ?、会えると思う?」
「ムリか、」
「ね、・・・・・、かわいそうだから少し、優しくしてあげないとね、
頑張ってくれてるし、」
「あたしは、優しくしてるけど」
「あ、そぅ。」
つづく