ハイヤーセルフ、というのは、大きな大きな自分自身、
肉体をもって、この地球で、
いろいろな体験をしながら生きている( 私という)存在を、
たどって、どこまでも、辿って行った時、
行き着くところ、
無限に大きい、意識をもった、光の存在!
という・・・・・ものらしい、
「 え、それに、じゃなかった、そんな凄い方に、
会えるんですか!・・・・私たち!」 、
つい今しがたの体験が、ま~だ、頭の中で、グルングルン回りながら、
ふたり興奮して、顔を見合わせる。
「もっと、あるんですか!、か」 と、鼻がふくらんで、
ご馳走を存分に平らげたあとに、
「 このあと、スペシャルデザートの盛り合わせがございます!」
などと、言われたような顔になってると、
「まぁ・・・・・じゃ、・・やってみましょうか・・」 と、
まるの日さんは、あっさり、
ほんとに、あっさりと、
呆気ないくらい、フツーな感じの 「 まぁ ・・・・」で、
そぉ~か、そうか、フツーなんだ、そうなんだ、
いいね!楽しみだね!
と、いそいそと、二人また横になりました。
いよいよ本日最後のCD、
いつもの海岸が現れる、
私は・・・・
白い服だ、・・・・改まった感じの・・、クツは白のパンプスに変わっっている、
メイクも、ひかえ目、清志郎さんではない、
よしよし、いいね!きちんとして、
そうでなくっちゃね、何しろ今度会うのは、ハイヤーセルフだよ、
と、
誘導のガイダンスに従って、歩いてゆく・・・・・
ずっと、ずっと・・・・
・・歩いている・・・・
( 向こうに、 宮殿が、見えてきます )
宮殿?・・・・・、まだ見えない、
ず~っと、先を見るイメージにもってゆく、
見えた!
白っぽい、建物が遠くに 小さく現れた、
だんだん、大きくなる、
近づいていってるようだ、
左右の景色も、くるくる変わる、
建物の、すぐ下までやって来た、
見上げるほどに、高い、たかい建物、
宮殿ではない、寺院のよう?
ゴシック様式の左右の尖塔が、空を突き刺すように、
そびえている、
どこにも柔らかさを感じさせない、
ガラスの寺院だ!、
壁や、柱や、屋根が、
カットされたダイヤのように、
キラキラと、絶えず光を反射している、
( 宮殿の中に・・入りましょう・・ そこにはたくさんの人達がいます )
入る、
中は広い、そして、とても明るい、
周りは・・・・・人?・・・・・モノ?
視点を定めようと集中する、
コマ送りのように、次々に変化していく人の顔のようなもの、
それが動きつづけていて、判別できない、
少し視線をずらして、遠のく、
壁ぎわに移動した、
寺院の真ん中を残して、
うねるような夥しい 人の波が
目の前で大きく、廻っているのを、
少したかい位置から、見下ろしている、
( 中央の、一段たかいところに、椅子があります・・・
そこに行って・・・・座ってください・・・)
あった、
そこだけ静止してるような・・・、一段 高くしつらえられた場所に、
優しい曲線の、白い椅子が、
歩き出す、
人の渦の中にはいっていく・・・
たどり着けない、
( 上を見上げて、・・・・・ダレか、なにかが降りてきます・・・・)
見上げる、
天井の、ガラスのドームを透かして 入ってくる光が、強い、
何も見えない、
光の中に、なにも・・・ない、なにも?
眩しい!、とてもまぶしい!、
光はますます、
強く、大きく広がって、
寺院も人も、光に変えながら
それだけになって、
終わった.
・・・・・・
え、・・・・これって、
・・・・・・・・
上手くいかなかった、・・・ってこと?
最後にきて、
これぇ・・は、ないでしょ!
と、未練たっぷりに、も一度、目をつむりたいくらいの
私の横で、
イモトは、そわそわ、ニヤニヤ、
「 なに・・・どうだったの、」
「どお・・・でしたか?」 と、まるの日さんも、
「 こんな、感じのね!」
と、イモトは、いきなり片足をふみ出し、両手をハの字に
構えると、眉をあげて、目を寄せる、
「 ねぶた!?」
「 そお!、 ピンポーン」
それにしても わかり易いねぇ、
わがイモトながら、その表現の的確さに
脱帽!
ずう~っと、ポーカーフェイスだった まるの日さんが、
笑ってるじゃないの、
「 ねぶたが出てきたの ?」
「 そう、そんな感じの、顎鬚をぼうぼう生やした、武者っていうの、
それが、(その方がって 言いなさい)、出てきた、
こぉ~んな風に 」
と、口をへの字にして、二度目は、さっきより迫力がある、
「 でね、帰ってくときは、今度は、手をこ~んな風に、右の方の肘を
クッ、て曲げて、上向いて、『 サラバじゃ! 』 って、感じで上って行った」
「 ふう~ん・・・ 」
「 誰なんだろう・・・・この人、
前さ、ダレかに、『 あなたには、山賊みたいなのがついてます』 って
言われたことがあるんだけど、・・・それかな?」
「 そんなはずないでしょ、ハイヤーセルフなんだから 」
でもいいじゃない・・・会えたんだから、私なんか、ガラスの寺院みたいなのが
出てきて、ピカピカ、キラキラ光って終わりよっ、・・・・」
「 まるの日さん、なんででしょうね?」
「 それで、全てを表してる、という事だと思います」
と、
それを聞いたとたん、
何故か、ストンと腑に落ちたような、
気がしたのです。
つづく