FEEL THE EARTH -3ページ目

彼女の決断

<彼女の決断>

今後の治療方針について

話し合って

彼女自身の意志で

未来を選んだ。

ただまっすぐに

生きるために

理想の未来を

自分自身の力でつかむために

最善を尽くしていく

その姿に

改めて心から尊敬した。

「自分自身の意志で選ぶこと」

心配をかけたくないとか

迷惑をかけたくないとか

今まで色んな理由で

自分の想いをあとに回してきた彼女にとって

自分で自分の道を選ぶということが

何よりの試練であったことは

一番近くで彼女を見てきた僕には

痛いほど伝わった。

ましてや命がかかった選択だ。

どれだけの葛藤だったのか想像を絶する。

僕にできることは

本当にちいさい。

たとえば

「抗がん剤は金持ちの道具で治療の効果が薄い」みたいな

人々を啓発するという名目で書かれた

誰かの痛みを全く考慮していない無責任な記事に

僕は本気で切れそうになった。

「色んな都合でそれしか選択肢がない人だっているんだ!!」

「その言葉がどれだけの絶望を与えると思ってるんだ!!」

「じゃあどうすればいいんだよ!!代替案まで言えよ!!」

だけど

そんな記事に怒ったところで

なにも変わらない。

僕の挑戦は

彼女を

か弱い守るべき存在として見るのではなく

ひとりの人間として

自分の意志で未来を切り開いていける存在なのだと

信じるところから始まった。

以来

彼女を病人扱いすることをやめた。

病人だから遠慮するとか一切ない。

言いたいことは全部伝えた。

病気だからという言い訳は全部はぎ取った。

我ながら鬼の所業であるw

「心配も迷惑もかけたくない」

そう嘆く彼女に

「お前のいい分だと

心配と迷惑かけるくらいなら

死んだほうがいいって言ってんのと同じだぞ。

心配も迷惑も十分かけてっから。

どんだけ迷惑かけてもいいから

生きたいっていう意志はねえの?」

「選択の責任を他人に押し付けんなよ。

お前の人生なんだからお前が選べ。

命かかってんならなおさらだ。

その十字架を

誰かに背負わせちゃいけない」

「勝手に諦めんなよ。

まず伝えてみろよ。

それでもダメなら

どうすればいいのか聞いてみろよ。

伝えもせずに

勝手に諦めて

すねて構ってちゃんこじらせて

俺のせいにすんな。

言いたいことは

ちゃんと伝えてみろって。

ちゃんと聞くから」

うん

読み返して思ったけど

がん患者相手に

鬼の所業であるw

そのスパルタコーチっぷりの成果かは謎だけど

彼女は少しずつ

自分の意志を表現してくれるようになり

彼女の病気はどんどんよくなっていった。

「自分がこんなにめんどくさいとは思わんかったw」

そう笑顔で彼女は言っていたけど

それは

彼女が

自分の小さな想いを大切に感じて

ひとつずつ

カタチにしていった成果だと僕は思う。

自分自身で自分の道を選んだとき

人は後悔ない人生を生きられる。

そしてそれは

自分自身の力を取り戻すことと等しいのだと

僕は思う。

「いつかがんになった人たちに

希望を与えるような生き様を見せたい」

そう言った彼女の笑顔は

本当に美しかった。

「自分が思う最良の道を選び続けること」

「自分が一番確信のある道を選び続けること」

結局のところ

毎瞬毎瞬

僕らにできるのは

それだけしかないのだと思う。

彼女をそばでサポートしていくこと。

彼女がいつでも笑えるように

そばで生きる希望を見せ続けていくこと。

人生はこんなにも喜びに満ちているんだと

生き様で伝えていくこと。

それが

今僕ができる最良の道だと信じている。

そして

僕はそれを選び続けたい。

彼女のために

そして

僕のために。

何よりの試練は

きっと

何よりのギフトに変わる。

そんな奇跡を

そばで見させてもらっている。

ありがとう。