日本文藝家協会前理事長で、直木賞作家の出久根達郎さんより、新刊のご著書をいただきました。

商業出版ではない背景があるようです。出久根さんとは、四半世紀ほど前「週刊朝日」の夫婦のインタビューが出会い。その後、『食と酒　吉村昭の流儀』（小学館文庫）刊行の折、解説と帯の推薦文をいただきました。さらに、昨年冨士霊園にある「文学者の墓」の墓前祭に伺った際、出久根さんが委員長をされていることを知りました。出会いがあってもその場限りになることが多い中、ご縁が続いていくのは有難いことです。作家デビューを果たしても、生涯サニーロードを歩める作家は稀。作家はいまでいうフリーランス。「文学者の墓」は困窮して墓も建てられない貧乏文士のために、丹羽文雄が日本文藝家協会会長時代に共同墓地を提案したのが始まりでした。丹羽文雄の偉大な業績の顕彰活動は、今後も私のライフワークとして続けていきます。「文学者の墓」の墓前祭には今年も伺いたく、出久根さんとの再会を楽しみにしています。

出久根達郎著『一千字の表うら』