今日25日の京都新聞の読書面に、「祇園、うっとこの話」が紹介されています・・と「みの家」の女将さんが知らせてくれました。
この本の帯の推薦文を、編集者が瀬戸内寂聴先生に頼んだとき、「薫ちゃん(みの家女将)は、この内容で了解しているのか?」と、念を押されたそうです。借金や介護、自身の病気と、普通なら墓場まで持って行きたいことを、現役女将の立場で語っているからでしょう。
本を読んだ方の感想も、よくここまで・・という驚きの声が多いです。
本の見本ができて、みの家の女将さんはまっ先に、祇園で200年続く大きなお茶屋の女将さんに本を届けたそうです。その女将さんはすぐに読んでくださり、「問題ない」といわれて、ほっ。それから数日して、今度は大きなお茶屋の女将さんが訪ねて来て、本をすごくほめてくださって、道明の帯締めをくれはったそうです。
この女将さんは、去年、『NHKスペシャル 祇園 女たちの物語~お茶屋8代目女将』に登場された方で、そのような方にほめていただいて、祇園でお墨付きをいただいたような・・。
「あんた(みの家女将)がしゃべっているようだった」といわれたと聞いて、私も、ほっ。
本を書くにあたって、京都や祇園関係の本はほとんど読みましたが、京言葉、その中でも花柳界の言葉で書かれたら、一般読者はついていけません。京都や祇園の風情は残しつつ、一般の方でも読みやすい書き言葉を考えたのですが、それでよかったのかと・・
ところで・・。瀬戸内先生は原稿用紙に直筆で推薦文を書いてくださったのですが、「長すぎる」といって半分に削ってしまった担当者の英断には驚きでした。後半部分の「この一冊で、祇園の通になったような」というのは、すばらしい販促コピーと思うのですが・・。半分カットを諒解された、瀬戸内先生の寛大さにも、驚きでした。