渋滞を警戒しすぎたせいか、随分と早く空港に着く。
入国時税関で書類を提出していないから、カメラやコンピュータがひっかからないか心配。
イントゥーリストの窓口にいると、入国時に手配してくれた女性がいた。
彼女は私を覚えていた。
「言ってください。出国のときに書類は必要ですか?」
「いりません。そのまま行けば大丈夫」
もし税関でなにかあれば、少なくとも彼女を呼べばなんとかなる。ささやかな心の支え。
出国手続き 出国手続きは
税関審査
搭乗券を貰って荷物を預ける
パスポートコントロール
という手続きになる。
税関
日本の観光案内には、高級カメラやコンピュータは入国時に税関に申告し、もらった控えと一緒に出国書類を提出すると書いてある。
イントゥーリストの職員は「何も要らない」と言った。
だから何も書かずに通ることにする。
あっけなく通過。
後から来た東洋人に税関職員が
「キタイ ラーナ(中国人、早すぎる)」
と怒鳴っているのが聞こえる。
何となく耳に残る。
税関-2
税関通過が早すぎたから登場手続きが始まっていない。
1時間近く待たなければならない。
数名の乗客が待っているが、広々としている。
入国時の悪夢のような動かない行列を思い出した。
「この空間にどっと集団が押し寄せたりしてね」
等と話していると・・・・・・・
搭乗時刻が近づくと、職員が腰高の柱にテープを張った囲いを作り始める。
そして待っている私たちを追い出す。
航空券を見せて「どうすれば良いのですか」と尋ねると
職員は税関の前にできた行列を指さす。
「あの行列に並ぶのですか」
「そうだ」
私は税関を通過している。その列に戻るにはもう一度外に出なければならない。
別の職員に尋ねる。
答えは同じ。
仕方がないから囲いを抜け出して、税関の外の行列に並び直す。
並んで待っていると、後ろに並ぶ人が増える。
大きな荷物を持って、横からどんどん入ってくる。
並ばない人たちだ。
ぐいと足を開いて横入りを防ぐと、荷物で足を押してくる。
見ると同様に並んでいるロシア人らしい人も横入りを押し返している。
山のように荷物を持った人が多いから税関審査がなかなか進まない。
悪夢の再現である。
搭乗券
税関は、再びあっけなく通過した。
搭乗券を受け取りに次のカウンターに進む。
普通は、搭乗券を受け取る横に計量器つきのベルトコンベヤーがあって、そこに荷物置くと、クレイムタグをくれて、荷物はコンベヤーで降りていく。
ここは違う。
女性職員が
「関西空港直通ですか」
と尋ねるから
「ダー(はい)」
と答えると
「プリニショーチェ シダュー(ここに持ってきてください)」
と、自分の後ろを指さす。
いつもは通過する職員のデスクの内側に回り込んで荷物を置くとクレイムタグをくれる。
別扱いだ。
事実だけを書く。
飛行機は北京行きだ。
私はトランジットで、次の関西空港行きに乗り換える。
この荷物が別扱いされている。
ベルトコンベヤーで降りていかない。
荷物をいくつも台車に乗せて、渋滞を作っている人々がたくさん搭乗手続をしている。
想像を書く。
関西空港への荷物は別にしておかないと紛らわしいほどに荷物が多いのではないか。
パスポートコントロール
パスポートコントロールがまた渋滞している。
今度は乗せずに飛び立たないだろうから気が楽だか、列の長さはうんざりする。
行列の先頭は、また、なかなか進まない。
ロシア人が別の入り口に呼ばれている。
手前のゲートが空いている。
女性職員が何か叫んだ。
叱られてもともと、取り敢えず空いている窓口へ行ってみることにした。
女性職員は「ロシアン ビザ」と叫んでいる。
気にせずにパスポートを出す。
パラパラとパスポートをめくって、彼女
「おー、ルシアン ビザ」
と、にっこり
昔からシェレメチボのパスポートコントロールは全て女性職員だった。
驚くほど時間のかかる手続きだが、制服を着るとより美しく見えるロシア女性をまじまじと眺めて、そんなに悪い気分でなかった。これはすでに書いた。
ここは、違った。
今まで経験したことがないほどスムーズに、素早く、通過させてくれたのである。
おかげで彼女の笑顔の印象が消えてしまった。
事実だけを書く。
パスポートコントロールの前に長い行列ができた。
審査は遅々として進まなかった。
時々追い返されている人もいた。
ロシア人は別のコースに呼ばれた。
私も空いているカウンターへ行った。
そこは、かつて東洋人らしい人が追い返されていたカウンターである。
担当官は「ルシアン ビザ」と叫んだ。
後で、道中で知り合った日本人に聞いた。
「中国、北朝鮮は特別な関係があって、日本人のように予めビザをとらなくてよいのです」
ここからは想像である。
空港職員は、中国人の出入国に特別な警戒をしているのではないか。
そうでなければ、パスポートコントロールや税関の渋滞と、私たちを通す時の素早さの関係が説明できない。
旅行に詳しい人に確認できないものだろうか。
シェレメチヴォ第2空港搭乗待合ロビーにあるレストラン。

搭乗待合の様子。すでに後ろに行列ができている。
トランジット
機内食のサービスが済むと、機内で書類が3枚配られる。
行くときのことで懲りているから、全部フィルアップすることにする。
「ん? ビザ番号? ロシアのビザか? 中国のビザなんかないぞ」
というわけでわからない部分がある。
着陸すると、例によってバス移動。
建物に着いて、階段を上がって、航空券を見せるとトランジットのシールを胸に貼り付けてくれる。
今回は行きよりもトランジット客が少なくて、
早い話が、私たち2人だけで
女性職員が「搭乗券はあるか」と聞く。
関西空港ではモスクワまで搭乗券をくれたが、シェレメチボでは貰っていない。
で、直進して搭乗窓口で搭乗券を貰う。
これを持って搭乗チェックを受けに行く。
先程の女性が待っていてくれて、
「この書類があるか」と書類を見せる。
機内で貰った書類と違う。
また書き直し。
中国の書類だから、妻が間違えて自分の名前を漢字で書いてしまった。
このような書類は、氏名はローマ字、サインは漢字。
ややこしい。
今度の女性職員は親切だった。
妻の書類の名前をローマ字で書き直してくれたのである。
日本の旅行社のサービス
日本では入国カード、税関申告カード等、日本語訳月の書類をくれた。
入国時に2枚渡して、、1枚貰って、出国時に出国カードと返してもらった入国時の申請書類と一緒に提出して・・・・・等と丁寧に説明を受けた。
この書類は今も持っている。
いらなかったのだ。
そして、いらないと言われていたトランジットで色々とエピソードがあった。
まあトラブルも旅行の楽しみの言えばそれまでだが、もう少し正確な情報が手に入らなかったものだろうか。