「では.貴女が欲しい
情報は何かしら?」
千里の問いに姫乃は
ゆっくりと口を開く
「今.都市伝説になっているゲームについて
教えてほしいんです」
「あぁ.あのゲームの事ね」
「やっぱり知ってるんですね」
「えぇ.知っているわ
前に同じ事を聞いた子が
いたからね…」
千里は脳裏にフッと
一人の少女を思い出した。
『教えてくれ!!
都市伝説で広まっている
ゲームについて』
「今でも覚えているわ…
彼女が泣きながら
あなたと同じ情報を
求めたの…」
「随分.暴走したものだな」
「何がですか?」
シオンの前に
黒髪の少女が現れた。
「新条真子についてだ」
彼女は冷たい目で
彼を見つめている。
「ロランならともかく
何故?あなたに
言われないといけないんですか?」
シオンははぁ…っと
溜息を漏らしている。
「マーフェイが自殺した
まだ.死んだかわからないが」
「え…?」
少女の一言にシオンは
驚きの目で彼女を見つめている。
「もしかするとあの時
お前が来なければ
マーフェイは自ら
命を絶とうはしなかったのかもな」
「それはどうでしょうね」
驚きを隠せないシオンに
構わず少女は淡々と
話している。
「新条真子は何故?
マーフェイに会わせたく
なかったかわかるか?」
「わかりませんね」
「彼女はわかっていたんだよ
今.お前がマーフェイに
会ったら.彼女が
あのような行動を取る事を…
きっと.それほど
心が不安定だったんだろうな…」
「ですが.夏季
あなたは腹が立たないのですか?
ロランを侮辱された事に」
夏季はシオンの問い
静かに答えた。
「俺はなんとも思わない…もし.立ってもお前みたいな
行動を取らない」
「それはあなたが
あの時いなかったでしょ」
「お前はわかってないな」
その時.夏季はシオンの
首に手に持っていた
刀の刃を当てる。
「……っ!!」
「マーフェイが自殺した時ロラン様はどれだけ心を
痛めたのか…そして
お前がゲームに参加した時ロラン様はどんな思いか…お前はわかってない!!」
「好きに言ってください私はもうロランが
苦しむのを黙ってみてるつもりは
ありませんそれで
ロランに恨まれたって
構わない
気に入らないなら
殺しますか?
簡単に死んで
あげるつもりはありませんが」
シオンはキッと
夏季を睨み首に
当てられた刀に
触れようとしたら…。
「刀に触るな…何も
この刀についてしらない癖に」
夏季はシオンが刀に
触れる前に刀を鞘にしまった。
「だが.新条真子に
ついては俺が話をつける
シオン.お前は
もう二度と
あの二人の前に現れるな…」
「何故?です
あなただって
ロランと同じ思いのはず…?」
「だが.俺はお前のやり方は嫌いだ相手の事を考えないで
ただ.自分の願いを
押しつけたような行動」
「勝手に言ってください
私は自分が思うように
行動しますから」
「……案外.ロラン様は
お前のせいで
死んでしまうかもな」
そう一言残し夏季は
シオンの元を去っていた。
そして.しばらく歩いたら夏季は自分の携帯に
電話をかけた。
『全く.やり過ぎだよ
夏季ちゃん』
どうやら.電話の主は
ロランらしい。
「すみません.やり過ぎました
俺もまだまだ未熟者ですね
ロラン様の大切な人に
手を出すなんて」
夏季は溜息をもらした。
「すみませんが後は
ロラン様がシオンを
叱ってください
多分.俺よりあなたの方が効果があると思いますから」
『了解』
「それと俺もしばらく
別行動します
新条の事も
気になりますしそれに…もし可能なら
シオンのゲーム参加を
廃止する方法も
探してみます」
『それは嬉しいけど
君もゲーム参加するのかい?』
「ゲームは参加しません
俺には紅雨がありますから」
夏季は腰に下げている
刀をギュウッと握りしめる。
『俺的には夏季ちゃんにはこの刀あまり使って
ほしくないんだけどな』
「大丈夫ですよ.無茶は
しませんから」
夏季はロランの声を
聞いて優しく笑っている。
「俺.ロラン様には
自分みたいな思いをしてほしくないんです
誰かを失ってずっと
苦しんでほしくないんですただでさえ.ロラン様は
苦しんでいるのに…」
『夏季ちゃんは優しいんだね』
「ありがとうございます
それとシオンに関する
お叱りはロラン様の元に
帰ってきたらゆっくり
聞きます」
『わかったよ』
「では.失礼します」
夏季は電話を切り
再び歩き始めた
自分の目的の為に…。
その頃.アスカの頼みを聞いた
ミラノはその足で
自分の居候先に帰ってきた。
「千里ちゃん.ちょっと
お願いがあるんだけど…って
ごめん.ごめん
今お客さんが来ていたんだね」
ミラノは姫乃を見て
あははと苦笑している。
これがミラノと姫乃の
出会いだった。