ハロウィンの夜~別世界からのお客様~第三話.優しいお兄さん | のんびりな日常

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「ねぇ.ところでお兄さん
誰?キュラちゃんの
知り合い?」

あたちはお兄さんの
名前が気になったから
聞いてみたよ。

「イオ.俺もキュラと
同じ吸血鬼なんだ」

この人がキュラちゃんが
話していたイオお兄さんか…。

あたちはジーッと
イオお兄さんを見ていた。

パパよりカッコいい…。

「君は俺が怖いかい?」

イオお兄さんは
とても優しい口調で
そして少し寂しそうな
表情であたちに聞いてきた。

「ううん.怖くない!!
全然.怖くない!!」

「そう…なのか?」

イオお兄さんはキョトンした
顔であたちを見ている。

「うん.あのね.あのね。
あたち.イオお兄さんの事好きだよ」

「それは.意外だな
他の人なら.きっと
怖がってしまうと思うな」

「そうなの?あたちは
怖くないよ.だって!!
イオお兄さんの目
ブドウの飴みたいで
美味しそうだもん」

「ブドウ…の…飴…?」

「うん!!キュラちゃんの目は
メロンのドロップ!!」

「クス.君は変わってるな」

イオお兄さんはクスリと
優しい顔で笑ってる。

「あたち変わってるの?」

「あぁ.変わってる。
でも…誰にでもこんな風に心を開くって事は
すごく.難しい事だ。
だから.君はすごいと
俺は思う」

イオお兄さんはまた
あたちの頭を優しく
撫でてくれた。

「心を開く…?」

心って心臓の事?

あたちは気になったから
心臓を開けようと
手で触ってドキドキする方を
グイグイと開けようした。

「何をしてるんだ…?」

「心臓を開けようとしてるの」

「心を開くってそうゆう
意味じゃないんだけどな…。
ほら.こんな事をしたら
ここが痛い痛いになるぞ」

イオお兄さんは
さっきまであたちが
触っていたところを
優しく撫でてくれた。

イオお兄さん優しい。

「キュラもなでなでしてぇ!!」

するとさっきまで
カボチャプリンを食べてたキュラちゃんが
イオお兄さんの背中に
乗っかってきた。

「こら.キュラ危ないだろ」

「なでなでー!!」

「わかったから.ほら
なでなで」

イオお兄さんは背中に
乗っているキュラちゃんの頭を優しく撫でている。

「でも.勝手に
いなくなるのは駄目だぞ」

「はぁい」

いいなぁ…キュラちゃんは素敵なお兄さんがいて

あたちにはお兄さんや
お姉さんがいないから
羨ましい…。

でも…お兄さんや
お姉さんがほしいって
言うより.イオお兄さんがほしいな…。

なんでだろう?

あたちはキュラちゃんと
イオお兄さんの二人が
見たら.ズキンって
心が痛くなった…。

なんでだろう?