飛ぶ鳥の 神の清庭さにわに 坐す皇神かみは 
 首渠神ひとごのかみなる 事代主神



八千矛の 神の御言に 天降あもりまし
 飛鳥守らむ 賀夜奈流美神



飛鳥なる 皇御神すめらみかみは 日に夜に
 守らせ給ふ 青人草を



神代より 飛鳥にまします 神多し
 神の御飛鳥みあすか 手向けの神山かむやま



御飛鳥みあすかの 神の守りを 給わりて
 昏きも安くゆべし



神奈備の 手向けの山を おろがめば
 飛鳥の神に 祈り届かむ  
 


まどしくも 青人草の 赤心まごころ
 喜び給ふ 飛鳥皇神あすかすめかみ



神守り 神ましませる 神代より
 見らくししは 清き飛鳥辺



抜き出でて 畏しさやけく 飛鳥なる
 皇神かみの御声は 清く聞ゆる


 
鳥形の 御山みやまうつつは 小さくも
 幽界かくりよにては 大高山なり



雲別くもわける 鳥形山の 神舎みあらか
 朱に金銀の 大神殿なり
 


飛鳥なる 鳥形山の 瑞垣に
 す神多さに 吾れはきよきよ



しづたまき 吾れすら守る 飛鳥皇神あすかかみ
 嬉しからまし 神の御稜威みいづ



拙くも 天津祝詞の太祝詞 
 大前に宣り 飛鳥皇神かみに捧げむ



飛鳥皇神すめかみは 嘉納し給ふ 人草の
 清き心を 好ませ給へば   



いと尊き 飛鳥皇神あすかすめかみ 祀るべく
 御饌奉る 神に謝しつつ  



人草や 種物稲穂に 至るまで
 育み守る 飛鳥皇神あすかすめかみ



必ずも 待つとなけれど 飛鳥皇神かみ守る
 奇しびに謝さむ 畏み伏しつつ



惟神かむながら たまへませ すべからく
 御前に畏み 願ぎ奉る