明より書付を以て
 太上感応篇は老君の御名を窃める偽書のよし。何の頃より出たるものにやと、
 
利仙君に伺候答
 感応経は中昔に唐土の道士故ありて名を隠し、仙家の経説を集めて撰たる物にて、元は偽書に非ず。人の教戒には是程の能き物はなし。儒門の書などの中々及ぬ処なり。元は神仙感応経と題して初発に仙境に曰云々と有しを、後の凡人此書を貴くして世に鬻んとて老君天台山に降り葛玄に伝へたまふといふ説を附会し、仙境の二字を太上と改て書名に冦したる也。然れども此訳を正し、世に改出して弘むるは人の為には一向宜しき書なり。必霊験あるべしと被申越候。
 
幽界物語 第三巻
 
 
 
 
幸安幽界物語、神界物語など色々な呼ばれ方をしますが、島田幸安重信という当時一八歳の青年が仙境と物質界を行き来し、評判を聞きつけた参澤明という人物が最初は幸安と問答し、次いで幸安の師に当たる清浄利仙君と手紙でやりとりするようになった際の記録です。
 
こちらで無料で読むことが出来ます。
 
現代語訳にすれば大体下記のような感じです。
 
太上感応篇は老子の名前を貶める偽書ではないでしょうか?
いつ頃から出たものでしょうか?
 
太上感応篇は昔に支那いた道士がわけあって名前を隠し、仙人の教えを集めて作ったものなので偽書ではありません。
人間に道徳を教えるのにこれ程の良いものはなく、儒教の本などではなかなか及びません。元は神仙感応経という題名で最初は「仙境では何々」と言っていたのを、後世の凡人がこれを素晴らしいものとして世に売りだそうとして老子が天台山に降った際に葛玄という道士に伝えたという作り話をして、仙境(神仙)の二文字を太上と変えて題名にしたものです。しかしこの偽題名を正して、世に改めて広めるのは世の中のためには良いことです。必ず霊験があるでしょう。
 
 
原文は漢文なのですが、日本語訳されたものをネットで散見します。こちらを紹介しますので是非読んで見て下さい。
 
現在一般には太上感応篇として知られていますが、元々は神仙感応経というタイトルで後世の凡人が世に売り出すために神仙を支那ではビッグネームの老子が述べたものという作り話を加えて太上感応篇とタイトルを変えて広めたものであると清浄利仙君は述べています。
 
 
実際に書いてあることは倫理学や道徳を推奨するものであり、学校の道徳で教えても良いほど素晴らしいものです。
 
 
この中に「一日有三善。三年天必降之福」つまり一日三善行を行えば、三年で天は必ず福をもたらすと述べられている箇所があり、一日三善を積むとどうなるのかは非常に興味があります。