「戦いは思想の悪化を伴うから、出来る丈け避けなければならない。この構内の住民共は実際は不必要な飲食をする悪習慣がついてり、ために憑依という悪行をするのだ。ず彼等の食を断ってその不必要を悟らせ、その慾望を弱めれば、自然と彼等の精神力も復活して、此方こちらの説く道理も頭に入る様になるから、論破するのに都合がよくなるのだ。我々が今此処こここの構内へ侵入すれば、彼等を立腹させ、単に反抗心を煽るのみで何の得る処もないであろう。彼等の意志に反する檻禁かんきんこの世界に於ては長時に渡って継続する事はむずかしいから、捕虜にしてもその効果はないのだ。強硬手段は今やった丈で充分である。」

 

 幽界行脚  J・M・S・ワアド

 

 

 

これは幽界(人間が死後まず行く境涯)の低層階において邪道に入り込みそうな人たちを助けるために、まずは例え相手が多少苦しもうとも、敢えてそれを行うことで相手に事実や状況を悟らせ、自分自身を省みる時間と力を復活させるという話です。

 

 

これはまさに神が人間にやっていることで、まず人間自身の自由意志として道徳的な向上や共に助け合うことを選ぶように指導します。

しかし中には利己的な考えを持ち、自分の欲望のためなら他人がどうなっても構わないという人が現れます。

 

 

自分の欲望で頭が一杯になっている人には通常の状態では周りが何を言っても聞きません。それは人類の歴史が証明しています。イエスは隣人愛を説きましたが、結局はイエスがいると都合が悪い人間達に馬鹿だの阿保だの詐欺師だのと罵られて終には犯罪者として殺されてしまいました。

 

他人の命やみんなで助け合うことよりも利己や保身のほうが大切というわけです。

 

 

この手の人間には何を言っても無駄でひふみ神示にも口で言ってわかるならそれが一番良いけれど、口で言って聞かなければ致し方ないから無理矢理聞かすという趣旨のことがよく書かれています。

 

 

アメイジンググレイスではありませんが、人身売買で大儲けしていたイギリス人が嵐に遭って死ぬ一歩手前まで行かなければ僅かなりとも改心の心が芽生えないように、人類全体としてもそういう側面があると思われます。

 

 

利己と保身しか頭になく、社会貢献など夢にも思わず、神や霊を否定する唯物主義の人たちが多くなった結果が現在の地上なのですが、この方向性が進めばいずれ人類全体が滅亡します。

 

 

もしかしたらムー大陸とかアトランティス大陸とかノアの洪水というのは過去にそういうことがあったのかもしれないのですが、人類が自ら利己と保身のみに走り全滅する方向へ進み、ある一定の限度を超えると天変地異が起こるわけです。

 

 

よくなぜ神はこの世がこんなに非道いことになっているのに静観しているのか?というようなことを言う人がいますが、答えは簡単でいつでもリカバー可能な範疇で、人間の自由意志を尊重しているからです。

 

 

無理矢理ロボットのようにしてコントロールするのは容易なのでしょうが、それでは意味がありません。あくまで人間が自分の自由意志で進歩向上することを神は計画しているので、現状の地上は今のようになっているわけです。

 

 

しかし自由意志がある以上、良い方向にも悪い方向にも進む可能性を秘めており、自由意志に任していてはどうにもならないという場合は強硬手段が発動します。

つまりそれが病気や事故や天災・人災であり、こうなると人間はやりたい放題が出来なくなるので過去を省みたり、道徳的な側面に目を向けたり、中には神や霊などについて考え始める人も現れます。

 

 

 

そういう意味では昨今の疫病蔓延や異常気象や地震なども全くその通りと思えます。こうすることでしか人間が成長出来ないなら、あるいは滅びの道から逃れられないなら、やるしかないということなのでしょう。

 

 

言葉で優しく聞かせて上手くいくならそれが一番よいのですが、時と場合によっては強硬手段もやむなしというわけです。これは神が人間に懲罰を与えているわけではなく、人間が自らの不摂生が溜まりに溜まって病気になるのと同じで、それが地球規模で起きているわけです。

 

 

少なくとも私の知る限りですが神は人間に罰を与えず、むしろ却って人間が犯した罪をなんとか軽くしてやろうとして下さっています。

 

 

ひふみ神示にも「神示で知らしただけで得心して改心出来れば大難は小難となるのぢゃ、やらねばならん、戦は碁、将棋、位の戦ですむのぢゃ、人民の心次第、行ひ次第で空まで変ると申してあろがな」とありますが、このままでは個人レベルから人類レベルまで自滅するという方向に人間が進む時に口で言って聞かなければ多少の荒事も致し方ないのでしょう。

 

 

但しそれは神の愛に基づいてです。人間を苦しめようとしてこうなっているわけではなく、逆に人間を助けたいから時には厳しくせざるを得ないわけです。

 

 

ひふみ神示に「見てみよれ、真っ只中になったら学でも智でも金でもどうにもならん 見当とれん事になるのぢゃ。今は神を見下げて人民が上になっているが、そうなってから神に助けてくれと申しても、時が過ぎているから、時の神様がお許しにならんぞ。」とありますが、そこまで行く前に一人でも多くの人が今の地上の価値観、つまり金を持っているヤツが偉い、金を稼げるヤツが偉い、権力や地位や名誉を持っているヤツが偉い、霊的なことなど目もくれないという方向から転換して欲しいと思います。

 

 

地位も名誉も金もあの世には持っていけません。持って行けるのは地上で培った人間性や身に付けた仕事や趣味の知識・技術、そして何よりも積んだ善行と悪行の報いだけです。

 

 

せめてシルバーバーチの言うように因果応報と霊界の存在の有無だけでも地上人が知ってくれたら地上は地獄のような状況から天国的な状況へ一変するのですが…、と思うもののこれには長い時間が掛かりそうです。