先日、わたしは、『こころを育てる』ということの大切さと、奥深さをしみじみと痛感したつらい出来事がありました。


相手のことを思いやる気持ち、その人のことを理解しようとする気持ち、悲しい出来事をわが身に思う気持ち、周りの人への感謝の気持ち・・・。
そして、今こうして生きているのは、決して自分ひとりの力ではない。


そんな当たり前のようなこころは、幼いころからの家庭環境のなか、第一に親の姿、親の言動を見て子どもは育って行きます。

相手を傷つけ、傷ついてる相手を見ても平気な人間になってしまわないよう、こころをそだてる教育をしてほしいと願います。



うちの息子が小学生のとき、近所のご老人からうれしいことをいわれました。

今では近隣の小学校のほとんどが下校時の付き添いのボランティアをつけておられますが、当時は、まだまだそんなボランティアの方は無く、そのご老人ご夫婦が毎日欠かさず、息子らの下校に付き添って下さっていたのです。

その姿を見てわたしは、「おじさんは、雨の日も風の日も毎日欠かさず、あなたたちもことを思って来てくれているんだよ。本当は、足が痛いのに、片道約30分もかかる道のりを一日2往復もしているのよ。ふつう、なかなかそこまでできる人はいないよ。」
と言っていたのです。

するとある日息子が、
「おっちゃん、足痛いの?ぼくらのためにきてくれてんの?おっちゃん、今度お菓子買うてきたるわ。」
といったそうです。

おじさんは以後、そんな言葉を励みに十数年もの間続けられ、今はご隠居されて元気に暮らしておられます。



今回、いろんな思いが巡る中、ふと、このことが思い出され、その人はこういう経験がされることが無かったのでは、と思い、これから子育てをされる皆さんにはぜひ、『こころを育てる』ことも忘れないでいただきたいと思い、書きました。

みんなのように、優しい人になれますようにと願いをこめて・・・。