結婚と言っても結婚したことを報告ではない。

私が幼少期から親から言われていた結婚に関する話だ。

両親は私が物心ついたころには「あなたは大きくなったら同胞(在日韓国人)と結婚するんだよ」と言っていた。

子供のころはただ私は同胞と結婚するんだと親の言うことを納得していた。

友達にも私は同胞と結婚すると話していた。

この話をした時、誰もがそうなんだと言ってくれた。

高校生になったとき、差別に関する授業があった。

取り上げられた議題が在日韓国人についてであった。

先生は私にみんなの前で私の経験や考えを話してくれと言った。

私は日常から隠すことなく、自分が在日であるということを公言していたので、

快く了承した。

その際に今までのように両親に言われていた同胞と結婚するという話をした。

今まで友達はみんなそうなんだと言ってくれていたが、

この授業では、初めて友達から意見を言われた。

「なぜ同胞にこだわる必要があるのか、それはおかしい。」

今まで1度たりとも誰にも否定されたことなかったのに、

自分の考えを否定されたことに対して、猛烈な怒りで反論をした。

「自分が納得してそう決めているのに、お前にそんなこと言われる筋合いはない」

結局、お互いに納得することなく討論は終了した。

しかし、何も疑わずに生きてきた私としては衝撃な一言であった。