がん検診をしました。
罹患者の多いガンについて特化してやりました。
まずは先日やったものから
①肺がんの低線量ヘリカルCT検査
費用は約1万円。保険適用なし。
5年に1度ほどやっていましたが、以前は柏市にある国立がんセンターで受けていましたが、この検査をやらないことになったので、別の病院いくつか紹介してもらった指定病院だかのうちのひとつ、狭山市の西狭山病院でやってきました。
肺がんといえばレントゲン検査が一般的だと思うのですが、おそらく大抵の市の補助がでることもあり安価ですが、ガンの初期ではなかなか正常組織と見分けられない、場所によっては他の臓器と重なって見つけられないといったことが多いらしいです。
それに対して一般的なCT検査は小さい内から発見しやすい反面、放射線を多く浴びるという問題があります。
どれくらいかというと、例えば書籍「最新のがん検診がわかる本」によると、放射線従事者の被曝限度は年間50msvに対して、1回の胸部CTで5~20msvとなっています。
ここで低線量ヘリカルCTとはなにか。低線量の定義は日本にはないようですが、アメリカでは3mgy以下程度のことを言うようです。
線量としてはだいたいCTの10分の1位のようです。
また、機器でいうと16列、64列というような列数と線量に関係はなく単にX線の出力を下げて撮影するものを言うようです。
線量を下げると被曝は減るものの画質が悪くなる。それでもレントゲンと比べると格段にいいようです。
検査の頻度については特にガイドライン等はないようですがレントゲンが1年ごとなら2年に一度くらいはどうですかと勧められました。
参考までに、レントゲンや胸部CT検査〔低線量ヘリカルCT等〕が肺の末梢にできるガンの発見に適しているのに対して、喀痰細胞診は主に肺門部(肺の入り口付近の太い気管支)にできるガンの検査に適しているのでたばこを吸う人はセットすることを勧めている。〔肺門部の癌は主にタバコなどの影響によるものが多いことから〕
それから一度似たような検査をしたことがあるなら、そのデータを一緒に持って行って、前後の画像を比較してもらうことで、怪しい陰があったときに、経過観察でいいのか、急を要するのかの判断に役立つと思います。
そして今回やった検査は、近所の医者でまず
②胃カメラ検査
胃の検査にはバリウム検査か胃カメラの選択がありますが、バリウム(胃X線検査または上部消化管X線検査ともいう)より内視鏡のほうが精度が高い。ただし、スキルス胃がんに関してはこの限りではないという意見もあるが、がんセンターの相談を受けたときは内視鏡の方が精度は高いということでしたが。どうなのか。
以前他の病院で受けたときは口から入れるタイプで、かなり苦しい検査だったのですが、今回は鼻から入れるタイプのものでかなり苦痛がなくなりました。ただ鼻が詰まっていたりしたら出来ないと聞いたことがあります。それに喉を通るとき吐きそうになるいやな感じはあります。
ところで今回の私の検査で気になる病変が見つかり組織を取りましたが、この鼻から入れる内視鏡でも細い針の様な線をカメラに通してチョンとつまみ取っていました。貯まった水を吸い取ったり細い割には出来る作業も多いと思いました。
注意点は食事は全日までに済ませて、以後一定の水分補給以外の絶食することと、当日に胃の動きを調節するだかの薬と喉の麻酔の薬を使います。それと注射針をうち水分点滴も行いました。ただ病院によって処置は違うこともあるかもしれません。眠くなる薬はないと思うので,後で説明する大腸カメラ検査と違って車の運転は大丈夫だと思います。
それからカメラが胃に入るときに食道も通るので、多分食道も一緒に見てもらえると思うのですが、一言言っておくのもいいかもしれません。もし食道に特化して重点的にするのであれば、色素内視鏡(ヨード染色等をすることで病変を際立たせる)や、ヨードを使わず体に負担のない狭帯域光内視鏡という検査方法がいいようです。
私の場合ピロリ菌の除菌をしたのが40~50歳と年齢が行っていたので、胃の検診頻度は2年ごとくらいがいいのかなと言われました。
参考までに胃がんとピロリ菌の関係について、
下記サイトに載っている研究結果からピロリ菌保有者は危険度が5~10倍あるとのことですが、もともとの保菌者が除菌により無菌者になった場合、元々の無菌者と同じように危険度が下がるというわけではないようで、胃が菌にやられてしまっているため年齢が行くほど効果は下がっていくようです。ただ、それなりに効果はあるようです。
病院で質問してみましたが、除菌は若いうちにやる方が効果があるとのことでした。
国立がん研究センター http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/287.html
つぎに日を改めて、
③大腸内視鏡検査
精度は、内視鏡>仮想内視鏡、カプセル内視鏡>便潜血。 ちなみに仮想内視鏡は被曝があり、カプセル内視鏡は取りこぼしがあり〔ただし、内視鏡届かない小腸検査には適している〕保険適用者も限られるということがあります。便潜血は簡易だが取りこぼしが多く進行癌の15%は発見できないということです。
保険を使えば1万円弱、但しポリープを取るごとに追加料金を取られると言われました。この内視鏡検査、便潜血陽性の場合は保険適用でできますが、それ以外は微妙だと思います。多分相応の症状がない場合は保険適用外なのではないでしょうか。
検査は前日は消化の悪い食品は食べずに、寝る前に錠剤と下剤を飲み、当日は2リットルの下剤を2時間ほど掛けてゆっくり飲み、便の固形物がなくなるまで続けます。
当日病院では腸の動きを調整する薬剤を使います。希望者には鎮痛剤も処方してもらえますが眠気が残ることがあるらしく車を運転してきた人は遠慮すべきでしょう。
私は鎮痛剤はしませんでしたが、腹が多少押されて気持ちが悪いですが、さほどの痛みはありませんでした。
ただ人によって大分違うようで、やせた女性はかなりきついと言われているようで後から鎮痛剤を打ってもらった人もいました。
検査の頻度ですが大体5年ごとくらいかなと医者は言っていましたが、持病があって毎年受けているという人もいました。家族歴や既往症によってもう少し頻度が多くなるのかと思います。
④超音波(エコー)検査
肝臓、胆嚢、膵臓、膀胱、その他・・(忘れましたが)癌の発見に効果があるとのことです。保険適用で5000円くらいだったと思います。
検査前の食事制限は聞きませんが、検査前におしっこをしないでくれと言われました。どうやら膀胱等の検査で病変が見えやすくなるそうです。
検査はゼリーを腹に塗って小さい箱を腹に押し当てるようになぞります。多分ほとんど痛くありません。
ここからは今回のエコーとは関係ないですが、肝臓ガンについては、約8割が肝炎を経て起こるので、エコーとは別に肝炎ウイルス検査は負担が少なく効果的な検査なので自分が下記肝炎の原因に該当がなくても 1度は受けて感染の確認をしてもいいと思います。
肝癌の原因は7~9割がB型、C型肝炎によるもので、肝炎の原因は母子感染,輸血,注射針,性交渉が主な原因だそうです。
肝炎ウィルスの検査結果はHBs抗原(B型肝炎ウイルス),HCV抗体(C型肝炎ウイルス)などという項目になってる。
また前立腺がんは唯一腫瘍マーカー(PSA)(血液検査)により早期発見が可能ながんと言われていますので、エコーとは別口で考えてみるのもいいかと思います。
すい臓がんは超音波検査等により主膵管の拡張や膵嚢胞が認められる場合はがんになっている危険性が高いので定期的な検査をお勧めします。病院では同時に血液検査も勧められました。
その他膵臓がんについての記事。
大阪府立成人病センターの田中検診部長らが超音波検査をもとにすい臓がんになりやすい人を見分ける方法を発見したと報告した。次の二つの異常が超音波検査で見つかった場合には、見つからない人に比べ、すい臓がんになる危険性は約27倍高く、異常がどちらか一つだけでも、危険性は3~4倍高くなるとしている。
(1)主膵管の直径が2.5ミリ以上(主膵管の拡張)(2)膵臓に直径3センチ以下の小さな袋がある(膵嚢胞)
ここでいうなりやすい人とは先天的な体質のことを指しているのではないと思うので、これらを定期的に観察していくことが重要なのではないかと思う。
病院で検査を受けたとき聞いたところ、これらの変異は癌になりやすいということよりも既に癌になっている可能性がある場合が多いとのこと
他には消化酵素のアミラーゼやリパーゼの検査で異常があれば膵炎や癌の疑いがありMRCP等の検査をお勧めする。但し私の市ではこの検査は特定健診の標準検査には含まれていませんでした。
私は胆嚢にポリープが見つかりました。大きさは約3mmと小さいです。これならガンも同じ超早期の発見も可能なのではと思うかもしれませんが、そうとも限らないと思います。なぜならガンは正常組織との境界が不明瞭なことも多く見つけにくいと思われるからです。
⑤その他、
遺伝性乳がんを疑ったとき
家族や親類で乳がんが多い家系はbrca等遺伝性の乳がんの可能性があり、検査でわかるのですが費用が20-30万円かかるそうなので、遺伝子検査は省略して25歳くらいから毎年のがんの定期検査をするという手もあると思います。若い人はマンモグラフィーより超音波の方が発見しやすいらしいです。
検査の頻度は人それぞれ、家族歴、年齢、病気のなりやすさによって、適切な期間が変わると思います。
さらにまれにある未分化ガンといわれるたちの悪いものは、数ヶ月で増殖するものもあるので、発見が遅れても自分の責任ではないと思うべきだと思います。