どうも甲楽わんです。

 

先日(2017年春)私がボーカルをつくったオリジナル曲が公開されました。

【GUMI】 ありがとう 【オリジナル曲】

http://www.nicovideo.jp/watch/sm31125438

 

このオリジナル曲が公開されたら書こうと思っていた記事があります。「裏声」です。

こちらのオリジナル曲では、GUMIちゃんに高音を「裏声」っぽく歌ってもらっています。

個人的には、高音になっても地声の延長のように強い声で歌うボカロに違和感を感じることがあります。(そういう歌い方が出来てしまう人もいらっしゃるかもですが。。ポップスではあまり見かけません)

 

今回はボカロでも「裏声」を使ってみようというお話です。

 

 

「裏声」とは

高音では「声が裏返る」なんて言うことがあります。「裏声」と呼ばれる声ですね。

一般的には、「地声」と「裏声」の二種類に分けることが多いですが、声楽やボーカルに通じた方々は「裏声」とは言いません。低いところから高い方へ向かって「チェストボイス」「ミックスボイス」「ヘッドボイス」の3つに分けるようです。

 

チェストボイス=地声(しっかりとした太さのある声です)

ミックスボイス=地声から裏声への移行部(声色は地声に聞こえる)

ヘッドボイス=裏声(息っぽさは少なく、しっかりとした声です)

 

平たく言うとこんな感じかなと思います。

 

ただしヘッドボイスというときには、一般的な「裏声」のイメージとは少し違うかもしれません。ヘッドボイスは声楽やコーラスなどで聞くようなしっかりとした声質の裏声を指します。ヘッドボイスに対して、息っぽい裏声のことを「ファルセット」と呼んで区別することが多いようです。(細かな定義は人によって変わりますし、好みも人それぞれです。。。)

 

しっかりした声色の裏声=「ヘッドボイス」

息っぽい声色の裏声=「ファルセット」

 

声帯がしっかり合わさって声が作られる場合には、息の漏れが少なく、ヘッドボイスになるらしいです。

 

つまるところ、私たちが「裏声」といっているものには、2種類あるということですね。


ヘッドボイスのようなしっかりした裏声を作るのは声楽を学んでいる方でないと難しいですし、ファルセットというほど歌い手さんの裏声が息っぽくなることもあまりありません。ですので、普通の歌い手さんやポップスの歌手は「ヘッドボイス」と「ファルセット」の間くらいかな、というのが私の印象です。

 

 

ボカロで裏声をつくるためには?

地声と裏声を比べるとこのような違いがあります。

①息っぽい

②母音の響きが不明瞭(「あ、い、う、え、お」を聞き分けにくい)

*ヘッドボイスに近い裏声は、息っぽさは少ないですが、母音が不明瞭である傾向があります。

*ファルセットに近い裏声は、息っぽさは多いですが、比較的母音は明瞭です。

 

 

これをボカロでも再現してあげます。

 

①息っぽい

息っぽさを足すためには、ウィスパー系のライブラリをクロスシンセシスで混ぜてあげると良いです。単一ライブラリしかないボカロは、無声音を別トラックで重ねるという方法があります。

 

 

②母音の響きが不明瞭

オープニング(OPE)の値を小さくします。0まで下げても構いません。ウィスパー系のライブラリの声質が暗い(母音が曖昧な)場合には、クロスシンセシスだけで適度に母音が曖昧になるときもあります(Miku Original × Miku Dark など)。

 

 

 

その他、ジェンダーファクター(GEN)やブライトネス(BRI)を触ると、なんとなーく良くなったような気がしないでもないですが。やっぱり重要なのが、息っぽさと母音の曖昧さの調整かなと思います。

 

 

ちなみに裏声が使える音域はどのあたりかというと。女声の場合、地声と裏声が切り替わる高さ(声換点)がBあたり(男声の場合はGあたり)です。それより高い音域なら裏声であってもおかしくはありません。

 

その他、エディター内のパラメータ以外ではイコライザーでうまく加工してあげる方法もあるそうです。

 

 

では、また!