前回、「麻酔とはどういうものか」について
お話ししましたが、今回はもう少し
具体的な話をしていきたいと思います
少し長くなりますが、
是非お付き合い下さいませ
「麻酔をかけると処置や検査の幅が広がる」
という話をしましたが、裏を返せば
「たちまち命に関わる病気ではないけど、
命をかけないといけない」場面が
度々起こり得るということです
とても代表的な例をあげると
避妊・去勢手術
(以後、「予防手術」と表記します)
歯科処置
が中でも最も多いと思います
予防手術に関しては、1000頭に1頭の確率で
麻酔による死亡が起こり得る、なんて
統計を聞いたことがありますが、
正直確率的にはもっと多い印象です
これまで、1000頭もの予防手術を
見た自信はないですが、その中でも
予防手術で2頭、その他の処置で2頭、
麻酔から返って来られなかった子を見ました
ご家族の心中を、考えれば本当に
やりきれない思いです
モニターの異常に気付いて、不測の
自体を免れた子も含めれば、もっと多いです
元気そうに見えても、さも麻酔をかけると
なれば命に関わることは、想像以上に
身近に潜んでいるのです
フレンチブルドッグやパグなどの
短頭種は、解剖学的な問題からそもそも
呼吸がしにくい状態なので、しっかりと
準備をしていなければ、麻酔導入の
瞬間に命を落とす程、危険が伴います
なら、
「そんなに危険をおかしてまで、
麻酔をかける必要があるのか?」
と、こんな話をすると思ってしまいますよね
勿論、そのリスクをおかしても麻酔をかける
意義や価値がなければ、無理に麻酔を
推し進める事はありません
しかしながら、碌に検査もせず、
病態が及ぼす影響を考慮もせず
「高齢だから麻酔リスクが高い」
なんて言って重度の歯周病を放置しておく
ような動物病院は、あまり信用しない方が
良いと思います
歯周病は痛みでご飯が食べられなくなる
だけでなく、腎臓などの臓器にも悪影響を
及ぼすほど重大な病気にも関わらず、
なぜかそうやって処置が行われていないことが
多いのです
また、予防手術に関しても、手術さえしていれば
防げる命に関わる病気のリスクをなくすための
意味合いが最も強いです
先延ばしにして、体力的・年齢的にも若い
頃よりリスクが上がった上に、病気になって
全身状態にまで影響が及べばさらに
危険な麻酔になります
麻酔のリスクは勿論ですが、
それを超えるだけの意義がある処置だと
言う説明と、麻酔に対する十分な備えを
行ってくれる動物病院で、
大事なご家族を預けたいですよね
料金の問題も勿論生活に関わる大事な
ポイントですが、そう言った部分も
是非考慮に含めて頂ければと思います