Hさんは老朽化したアパートのオーナー。
祖父の代に建てた年代モノの、といってレトロな趣もないただ古いだけの建物、風呂ナシ、トイレも共同という条件が災いして、現在、店子はHさんが生まれたときから住んでいる1人だけ。
「これじゃ資産運用どころか固定資産税の無駄払いだよ」。
テレビで「あなたの土地、眠っていませんか」なんてCMが流れるたび苦々しく思っていたある夏、台風が直撃、屋根が半壊した。
「これは天啓だ」と建て直しを決意。
「フローリングにしてロフトとかつけてヤングにウケるアパートにするぞ」と意気込んで建築会社を訪ねた。
が、担当者と話をつめ、建築確認を申請したところ、接道義務違反ではねられてしまった。
つづく。