つづきです。

 

「ヨーロッパ文化遺産の日(la Journée du Patrimoine)」にリベンジ見学を果たしたのですが

――そのご報告がすっかり遅くなってしまいました(汗)。

 

時の流れとは、本当に容赦ないものです。

書こう書こうと思いつつ、ようやく今ペンを取っております(正確にはキーボードですが)。

 

さて、今回は気合を入れて、朝から出陣。

と申しますか、「今度こそ撮り逃さぬぞ」と心に誓いながらカメラ(スマホ)を手に。

 

 

華やかなアルトワ伯爵時代の世界へ

 

 

なんと!

 

嬉しいことに、この日はアルトワ伯爵が城主だった時代(つまりフランス革命前)の特別イベントが開催されておりました。

 

 

ルイ16世時代の衣装をまとった俳優さんたちがずらり。

門をくぐった瞬間から18世紀へワープしたような気分です。

 

各部屋では、テーマに合わせた小さな演劇が行われており、まるで“生きた博物館”。

 


 

 

当時の雰囲気そのままの内装にうっとり。

壁の装飾ひとつにも、手間と時間と――おそらくは莫大な予算が費やされていたのでしょう。

現代の公共工事とは違い、スピードより美が優先されていた時代です。

 

 

 

マリー・アントワネット様のおな〜り〜

 

そしていきなり今回のイベントのハイライトがスタート。

「マリー・アントワネット様のおなーりー!」という声が響き渡り、黄金のドレスを身にまとった優雅な女優さん登場。

 

 

 

ドレスの裾が大理石の床を滑るように揺れ、それはそれは美しいお姿でした。

 

そのまま王の寝室へと進まれ、当時の衣装の着付けを披露してくださるという豪華な演出。

コルセットを締めるたび、こちらの背筋まで自然と伸びてしまいます。

 

 

 

 

王の間の天蓋付きベッド

 

鏡の間では柔らかな光が差し込み、まるで時間が止まったようなひととき。

 


そして大広間では――バロックダンス。ふんわりと広がるスカートと優雅なステップに、観客席の皆さまも拍手喝采。

私ももちろん、手に汗をかきながら「ブラボー」と心の中で唱えておりました。

 

暖炉上にあるのはルイ14世の肖像画

 
 
 
その後、再びラフィットの間を見学し、階下へ。
 

ラフィットの間

 


アルトワ伯爵のダイニング、書斎、遊戯の間も公開されていました。

 

 

ダイニングの天井の装飾

 

 

 

 

 

 


前回はどの部屋がどこにあるのかまったく分からず、まるで迷路状態でしたが、今回は違います!

 

 

 

 


私はもうメゾン城を“自分の家のように”歩けます。

……いや、あくまで気分だけですが。

 

 

 

 

 

 

現在このお城はメゾン=ラフィット市の所有とのこと。

この日の俳優さんたちは、市が手配した「歴史的コスチューム愛好協会」のメンバーだそうです。

なるほど、衣装も立ち居振る舞いも見事なはずです。

 

見学の途中、メゾン城愛好協会のマダムとも少しお話をいたしました。
せっかくの機会ですので、思い切って『ベルサイユのばら』――フランスでは『Lady Oscar(レディ・オスカル)』というタイトルで知られている作品――とオスカル様について伺ってみました。

ところが、意外にもこのお城とオスカル様との関係についてはご存じなかったご様子でした。
そこで、図々しくも私の方から、日本では“このお城がオスカル様のご実家のモデルではないか”とささやかれていることを、そっとお耳に入れておきました。

 

 

 

 

見学の最後はお庭へ。

お城の背後に回り撮影いたしました。

 

 

 

 

ふと空を見上げると、朝は今にも雨が降り出しそうだった雲が少しずつ切れ、そこから青空がのぞいていました。
まるでお城が「また来なさい」と微笑んでいるようで、思わずこちらもにっこり。

 

何百年もの時を経て、今も静かに佇むメゾン城。
その石壁には、王侯貴族の栄華も、革命のざわめきも、そして現代の私たちの小さな感動も、きっと同じように刻まれていくのでしょう。

 

次に訪れるときは、また違う光の中で、少し違う顔を見せてくれるかもしれません。
――そんなことを思いながら、名残惜しく門を後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

次回のイベントは11月14日から始まる、 「アルトワ伯爵――王子にして芸術の庇護者」Le comte d'Artois, prince et mécène)です。

 

 

 

この展覧会では、のちのシャルル10世となるアルトワ伯爵の青年期(誕生から1789年の亡命まで)を紹介します。ヴェルサイユ宮殿との協力や各地の文化機関からの貸出作品を含む100点以上の展示品を通して、彼の個性、趣味、そして芸術支援者としての一面を知ることができます。1777年に伯爵がメゾン城を取得した当時の様子や、彼がこの館に抱いた壮大な構想も振り返ります。