息子を持ったことがある母なら

幼い男の子の可愛さを知っていることでしょう。

可愛いだけでなく、小さな恋人のようだと言われることもよくある。


今夜息子は
あの世に帰る間際(ベッドで本を読み聞かせて、眠りにつくまでの蜜の時間)

ぼくがおとなになったらお父さんになるから、ママは小さな女の子になって、ぼくのカノジョの赤ちゃんで生まれてきて。

と言った。

そしたらずっと一緒にいられるから。
ぼく、ママとずっと一緒にいたいんだ。

と言って目に涙を溜めていた。

でも、神様のところで入れ替わるから
わからなくなっちゃう。

今度はそう言ってから、ますます目の奥がキラキラ光って
見つめたままニコって笑った。

笑わないと泣き出しそうな顔だった。


こちらの方が泣けてしまう。

そんなにも一途に誰かを愛したことが
この母にはないかもしれない。

会いたかったんだね。
一緒にいたかったんだね。
ただそれだけのために生まれてきてくれたんだね。


子育ては親にとっては楽しいことばかりではない。
試練だと感じることも多い。

子供より自分を先に愛してあげて!
と言われることもある。


でも、子どもが親を思う純粋な気持ちには、そんな考えは微塵もなくて

もしかしたらこれが無条件の愛という
尊いものなのかと

感じた夜でした。