12月1日の福祉新聞の記事に桑原教修・全国児童養護施設協議会長の発言が載っていましたのでお伝えします。先日の「こどもフォーラム2017」の藤野氏の言いたかったことなのでしょう。施設関係者全員の意見ではないとは思いますが、ビジョン反対派の代表意見として知る必要を感じますかお

 

「新ビジョンは児童養護施設への偏見だ」

基調報告 からピックアップ

・児童養護関係者への確認なく新ビジョンがまとめられたと改めて批判

・施設の機能転換についても「施設は養育のデパートではない」

・今後、厚労省が年内に策定する「都道府県推進計画」の見直し要領には、関係団体から拙速だとの意見

・施設は万能ではないが、これまで多くの子どもを送り出し、活躍している

 

では、私の感想です

施設関係者は、少し感情的になっているおられるように思います。

これまでの活動を全否定しているわけではないのに「否定されている」と極端に捉えることはないです。むしろ、トップの人がそうした極端な捉え方をすることに危機感を感じます。

 

第一番に考える事は、職員の雇用や給料でなく、親と暮らせない子どもの人生です。(桑原さんの意見は主客逆転しているようにも思える)

 

18歳という誰が設定したのか分からない措置期間で成長を強いられ、措置期間が終わればいきなり社会に放り出される。その後は施設の厚意に任され、行方不明になっていく子どもたち・・・この事実に桑原さんはどのように回答されるのでしょうか?

 

もちろん、里親も措置期間としては同じですが、個々の繋がりがある(これからはここに力をもっと入れるべき)ので、18歳以降も里親との関係さえ良ければ見守り、相談相手にはなれるはずです。里親の意義はむしろ、18歳以降にあるのです。実子であっても18歳で独立などできません。それは子どもを育てたことのある人ならわかるはずです目

 

施設関係者の意見は、推進賛成派と反対派に分かれていると聞きますが、施設経営者は施設維持の前に一人の子ども、一人の人間の人生をトータルに見越したうえで、里親(一般人)・行政・専門家を含めた多くの人と共に語り合い、施設はどうあるべきか、地域の中での有り様を考え直してほしいです』

 

虐待された子どもは189の通報で親子分離されると、その先は一時保護所、そして多くの場合養育先が「施設」となっているのが今の日本の現状です。一般人(私も含め)にはその子どもがどうなったのか見えなくなっています。わたしもかつては「施設で生活しているなら安心だ」と思っていました。でも、その後(措置後)の、子どもたちの置かれた状況を知れば知るほど、何の解決になっていないことがわかりました。

 

最近、1年半前に購入した児相利権という本を最近読みましたが、内容に極端さはあるにしても施設誕生の歴史、役割の変化、子どもの社会的養護の問題を突いていると思いました。桑原さん等施設関係者には、ぜひ、この本を読んで反論してほしいですかお

 

日本の子どもの福祉の30年の遅れを取り戻すには、新ビジョンのタイムスケジュールは可能範囲(塩崎さん)だと思います。それなりの分析の元での厚生労働省の数字だと思います。施設関係者も街に出れば、一、一般人です。一人の子どもと向き合う安心な大人としての資格=里親になって、施設から子どもたちを地域社会(娑婆)に出してあげてください。その時、今後の施設のあるべき姿が見えて、自分たちの役割が理解できるのではないのでしょうか?ニコニコ

 

「施設」という一つの立場だけでこの“社会的養育の今後の有り様”を語っては何の解決にもならない。 と私は思いますかお