常にご紹介したいHRW(ヒューマン・ライズ・ウォッチ)の「夢が持てない」報告書とビデオですが、そこにも登場している東京の里親であるホッブス美香さんのメッセージをシェアします。
「里親のやりがい」は同感です。子どもが良い方向に変化する様を見るのは至上の喜びです。美香さんも「これはもう、プライスレスの喜びです」って
続けて
「不必要に施設で育つ子どもを減らさないといけません。私はたまたま様々な課題のある子どもの里親になりましたが、健常児をケアしている里親もたくさんいます。赤ちゃんを育てたいという人は多いんですから、マッチングできる制度をなんとしてでも作りたいですね」
「里親と一口に言っても、さまざまです。ホッブス美香さんには実子はいませんが、里親の半数強は、子育てが終わった人や最中の人など、実子がいる人々。里親の家庭で育つ実子についての研究も進んでいるので、工夫は必要ですが、実子と里親を両立させることは決して不可能なことではありません。」
「日本より家庭的養護率が高い国も、昔から里親や養子制度が整っていたわけではありません。愛着障害を減らし、愛のある家庭で育つことは子どもの福祉の基本であるという考え方が浸透してきたからです。子どもは将来を支えていく社会の宝。産んだ親に子どもを押し付けるのではなく、社会全体で考えていく方向に日本はいま大きくシフトする段階に差し掛かっています。」
HRW(ヒューマン・ライズ・ウォッチ)土井香苗さんのメッセージはこちら
一部
「なぜ、子どもには家庭的養護が必要なのでしょう。人間には集団生活は必要ですが、安心して甘えることのできる場所も子どもには絶対に不可欠です。施設では、個というものが後回しになり、日課が細かく決められているので、自立に必要な自己決定の機会は限られてしまいます。また、6才まで集団生活の中だけで育つと、愛着障害という脳の問題がおきてしまうことも科学的に明らかになっています。子どもにとって、それほど愛情を注ぐ保護者や家庭の存在は重要なのです。」
*関連・・・ライフネット生命記事『産まなくても、育てられます』の書評