好きなことにはいつでもど真ん中でございます。前日に転んで転倒してしていても、熱がまだ下がっていなくても、根性で乗り切るのが私の主義でございます(笑)
1/30に公開された「残穢 住んではいけない部屋」、中村監督 主演の竹内結子さんの舞台挨拶付きで観てきました。
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物語は主人公である小説家の「私」に読者の久保さんから一通の手紙が届いたことから始まります。
大学生の久保さんは2年間の寮生活を経て、マンションでの一人暮らしを始めたのですが、この部屋の中で奇妙な音がするという。
そのマンションは私たちが街中でよく見かけるこぎれいなマンションで、どこにも異変がないようにおもえる。しかも久保さんが不動産会社や近所の人に確認したところ、この物件は事故物件であったこともない。(いわゆる犯罪や自殺、火災などがあった不動産をこういいます)
その音は畳をほうきでするような音で、彼女がその音がする部屋を見ているときにせず、後ろ向きなったりすると、聞えてくる。
やだよねぇ、この後ろを向いたときっていうのがなんとも(・・;)
その手紙に既視感を感じた「私」が昔のファンレターを探してみると同じマンションで奇妙なことがあったという手紙を別な読者からもらっていた。
そこから、そのマンション。ひいてはその土地全体に対する謎解きを始める二人。そのマンションが建つ前。それ以前、明治初期まで歴史をさかのぼったその先に見つけたものは……。
という物語です。
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いわゆるホラー映画を見に来た人は、うーん、という感じだったかもしれません。原作自体が小野不由美という原作者名でのドキュメンタリー風のホラーになっていますので。
丹念にマンションが建っている土地の歴史をさかのぼり、そこから見つかる異常な真実を、一つ、一つを拾い上げていた時に、かかわりのなかったことはずのことが実は水面下でつながった怖さ。
新聞などの批評で知的で文化的と書かれていましたが、私は見終わった瞬間に、本格ミステリーホラーという言葉が浮かんでしまいました。
音が怖いんですね。それ以外は土地に関わる因縁の歴史を探っていくので、ホラー映画にありがちな脅かしがない。(ほぼありません、全然ないわけではないですよ、へへ)
徹底的に科学的に冷静に調べていった先にあるものが怖いんですね。
いやぁ、一人暮らしの皆さん。自分の背後からほうきで何かを擦るような音がしませんか?
もしかしたら、それは皆さんが住んでいる土地に残った因縁が起こしているものかもしれないし、誰かが持ち込んだ何がが伝染して起こっているのかも、しれませんよ。
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合わせて読んでいた京極夏彦さんの「旧談」も読み終わりました。
こちらは江戸時代の随筆「耳嚢」から奇妙な話や怖い話を抜粋して京極風リニューアルをしたものです。
本家もすでに読んでいるのでなじみの話もいくつかあり、おお京極風はこうなるのかと思いながら読んでいました。
今でこそ「耳袋」というと怪談となってしまっていますが、こちらはそういうものもありますが、いわゆる随筆です。でも、納得がいかーんという話もあり、そこが面白いんですね。
「耳嚢」も久しぶりに出して眺めながら、ちまちまといつもより時間がかかりましたが、楽しい時間を過ごしました。
こうして考えると日本人は「怖い」話が好きなのではなくて奇妙な話が好きなんだなとしみじみと感じてしまいますね。
「残穢」もそうですけど、わからないことはこわい。だから調べてみる、でも調べた結果がまた謎というところが怪談の面白さなんだと思うんですよね。わからないことにいみがあるような気が。
できればDVDもほしいなぁと思いつつ、でも、夜中に一人で見るのもなぁ(うちの相方はこの手は嫌いなんですよねぇ、スプラッタは平気なくせに!! これは私がダメ)と悩むことになりそうです。
- 旧談 (角川文庫)/KADOKAWA/角川書店
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- 屍者の帝国 (完全生産限定版) [Blu-ray]/アニプレックス
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こちらも届いて、これから見ます。ラストのフライデーの独白がいいんですよ!!