着付け教室に通い出したおかげで、
これまで一度も引き出すことなく
30年間眠りっぱなしだった着物に触れた瞬間、
亡き母の想いを初めて知った気がした。
器用だった母に
もっと
もっと
いろいろ教えてもらえればよかった。
そう
お話くださったのは
今日の受講生さま。
タンスの中から
たとう紙から
この日
大切な娘の手より
空気に触れたこの瞬間、
このお着物は
どんなに喜んだであろう。
どんなにかこの日を待ち望んでいただろう。
きっとお母さまは
喜んでいらっしゃる。
着物が届けてくれた
お母さまの娘を思う気持ちにふれ、
目頭があつくなった。
着付け教室をしてよかったと
思うひとつの瞬間。
親娘
はたまた
世代を超えて引き継がれる着物。
着物を通して
いろんなことをみせてもらい、
気付かせてもらえていることに
いつも感謝です。