NHKスペシャルのドラマ こもりびとを視聴しました

 

8050問題をテーマに、

ひきこもり当事者の声をもとに再現されたドラマです。

 

~8050問題~

全国のひきこもりの人は、

推計100万人とも言われています。
中高年となったひきこもりの本人が

高齢の親と共に孤立してしまう状況を

「8050問題」と呼ばれています。

 

医療職をしていると

8050問題を抱えている高齢者の方と接する事があります。

そういった方ほど「私が元気でいなくちゃ」と

リハビリを頑張られていたりもします。

けっして、まれなケースではないと感じています。

 

NHKスペシャルドラマ こもりびとの内容です

(ネタバレがあるので知りたくない人は見ないでください)

 

 

80代でガン末期の宣告をうけた父親を武田哲也さん

大学入試に失敗して40代までひきこもっている息子役に松山ケンイチさん

と、配役からして希望が持てるドラマだなぁと

安心して視聴できました。

 

就職試験に苦労する姪のみさきが登場し、

親子の橋渡しをしていきます。

色々な支援先を回るものの、対応してもらえず孤立する父親でしたが

姪という第3者の存在が上手くサポートしていきます。

(現実は、こんなに短期間でうまくはいかないのでしょうけれど・・・。)

 

ひきこもりの方の体験をもとにドラマでは

大学受験の失敗、就職の失敗の積み重なりが原因であったり

ライフイベントでうまくいかなかった時の社会の受け皿のなさ

家族の無理解なども描かれています。

 

色々なエピソードを経て

クライマックスでは

「お前に生きている価値がないと言われ続けた、

おれはそんなに生きている価値がないのか」と父親を責める息子と

「俺はそんなつもりではなかった

生きてくれているだけでいい」と思いのたけを話し、

ガンのため吐血し倒れる父親。

 

父親が亡くなった後、父親の日記を読み返す息子。

葬式の喪主をやる、と申し出たものの、

出席できずに葬式は終了・・・となりそうな時

喪服を着て現れます。

 

髭をそり、髪を整えて喪服を着た息子が

挨拶を行います。

 

「父親はとても家族思いの人でした。

僕は父親の期待に沿えず

いまだにやりたいことを見つけられていませんが

これから見つけていきたいと思います。」

と小声ですが挨拶を行いました。

 

その姿は、父親が一番目にしたかったに違いありません。

 

息子はどんな行動を取っていくのでしょうか。

その先はドラマでは描かれていませんが

希望に満ちた終わりでした。

 

高齢の保護者が亡き後、

どうやってひきこもり当事者は生きていくのか。

 

ここからが8050問題の本当の始まりだと

感じました。