作業療法士や看護婦が脳卒中になってどうしたか | kondoukomatum165のブログ

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若い女性の作業療法士が脳梗塞になり左片麻痺になったのですが、彼女の麻痺改善・回復に対する考え方が歪んでいるために、麻痺手を固めてしまおうとしているとしか思えないブログに出会いました。

 

彼女は、非常に前向きで、麻痺回復に対して意欲的に思えたので、どのような訓練をしているのか、興味深々で読み進みました。救急病棟に搬送されて、脳梗塞だと告げられたとき「後遺症が残らないようにリハビリを頑張ろう」と前向きに考えたそうです。

 

今までの経験から、『麻痺の改善・回復が早い人は前向きで、本当に麻痺を治そうと思っている人。また、家族との関係がよく家族が協力してくれる人。逆に悲観的で「麻痺だから何もできない」と諦めている人などは回復が遅いように感じる。』マサにその通りです。しかし、その次の文章を読んで愕然としたのです。

 

概ね次のような内容です。『失ったものばかりに目を取られるのではなく、残っているものを使って今までと方法を変えてやりやすいように日常生活を送り、明るく毎日を過ごすことが病の改善には必要だ。セラピストも前が見えなくなっている患者さんに如何に希望を持たせるかが大切だ。病気じゃなくて人を診るというのはこういうことなのかもしれない。』

 

この文章の意味は、『左手が麻痺したからと悩むことはない。片手動作を訓練すれば何でも出来ようになる。セラピストはそのことを患者に知らしめるべきだ。そうすることで患者に希望を持たせるべきだ。』と言っているのです。

 

『右手だけの動作を訓練すれば何でも出来るようになる』と言う考えは、左手を無くした人には有効な考えです。しかし、脳梗塞や脳出血などによる麻痺回復のリハビリテーションではあり得ない考えなのは明白です。私達は、左手を無くしたのではなく、動かすことが出来ないだけです。彼女は、自己矛盾していますね。

 

“後遺症が残らないようにリハビリを頑張ろう”と発病当時に思ったのは彼女自身なのに、麻痺手の訓練を諦めて麻痺のない右手だけの動作をマスターするようにリハビリテーションの方針を変換しているからです。利き手交換の訓練も片手動作の訓練もリハビリテーションだと勘違いしているのです。

 

彼女は、右手だけで調理をしたり、足も使って洗濯物をたたんだり、一所懸命です。でも、麻痺手の訓練は何も書かれていません。このままでは、彼女の手は全廃してしまうでしょう。全廃しても、これが当たり前だと思い、訓練はしないのかもしれません。

 

しかし、両手を使う人を見ると羨ましく思う日々が続くのです。そして自分の麻痺は重症だから仕方が無いと自分を慰めているのです。

 

自分自身がこうなるのは仕方がないとしか言いようがありません。でも、こんな作業療法士が担当する患者はどうなるのでしょうか。自分と同じように手が全廃するのは仕方がない、と言うのでしょうか。そして、“手が動くようになった人は症状が軽かっただけ”と言えば済むのでしょうか。

 

リハビリテーション医療とは、麻痺を改善させるのが本筋のはずです。片手動作で何でも出来ることと、不自由はあっても両手が使えるのと比べることは出来ないかもしれませんが、両手を使い続けていると完全に発病前と同じ動作が出来るようになる可能性があるのです。

 

以上の事を私のブログに書いたところ、なんと当の作業療法士からコメントがありました。要するに私のブログを読んで気持ちが変わり、療法士に頼んで麻痺手の訓練を始め、少しずつ動き出したとのことです。同じように左手が麻痺した脳外科の看護婦は「自分は重症だから回復しない」と頑なにリハビリをしないで、遂に左手は全廃したそうです。