玉木 競馬メモをご覧いただきありがとうございます。管理人の玉木です。

私は普段から、SNSで札束を振りかざすような派手なインフルエンサーや、根拠を曖昧にしたまま「鉄板」と断言する広告的な予想家とは距離を置いています。競馬はあくまで、自分自身の納得感の上に成り立つべきものだと考えているからです。

今回は、以前から一部で話題になっていた競馬予想サイト「暁(あかつき)」について、実際に私が身銭を切って数回利用した経験を、備忘録として残しておきます。あくまで一個人の体験談として、淡々とお伝えできればと思います。

サイトを利用してみたきっかけ

私がこのサイトに目を通したきっかけは、そのデザインが比較的落ち着いており、他の「いかにも」なサイトに比べると、少しだけ静かな印象を受けたことにあります。

最近の競馬予想サイトは、どこを見ても「的中率100%」に近いような誇張表現が並び、辟易していました。そんな中で、暁という名前にどこか日本的な、地に足のついたイメージを勝手に抱いてしまい、一度試してみることにしたのです。

会員登録後の操作性は悪くなく、情報の更新も滞りなく行われていました。しかし、その中身については、利用を重ねるごとに印象が変わっていくことになります。

無料情報の精度と内容について

まずは数週間、提供される無料情報を追いかけてみました。

良かった点としては、情報の提供が安定していたことです。週末の重賞から平場のレースまで、対象レースの選定にはそれなりの意図を感じました。買い目の点数も絞られており、初心者の方でも参考にしやすい形式ではありました。

一方で気になった点は、その予想が「あまりにも無難すぎる」ということです。上位人気馬を中心とした組み合わせが多く、的中しても配当が投資額を下回る「トリガミ」になることが何度かありました。

的中させること自体は重要ですが、わざわざ専門のサイトを参照してまで得るべき情報なのかと考えると、自分の力で競馬新聞を読み解いた結論と大差ないように感じられました。

有料情報の体験と、担当者とのやり取り

無料情報だけでは判断がつかないと考え、数回に渡り有料の提供情報も試してみました。

情報の公開自体はスムーズで、指定された時間にサイトにログインすれば買い目が閲覧できる仕組みです。ただ、その買い目に対する「なぜこの馬を選んだのか」という解説やロジックの説明が極めて少なく、基本的には「提示された数字通りに買ってください」というスタイルでした。

また、利用を開始すると個別の担当者という方から頻繁にメールが届くようになります。最初は丁寧な挨拶から始まりましたが、不的中が続いた際のフォローの仕方が、私の価値観とは少し合いませんでした。

「今回は残念でしたが、次は本来選ばれた方のみにご案内する特別な枠が一つ空きました」「リベンジのために、さらに精度の高い情報を用意しました」といった趣旨の内容が届くようになります。不的中という結果を真摯に分析するよりも、次へ次へと意識を向けさせようとする営業的な姿勢に、少しの違和感を覚えたのです。

実際に体験した「精度の揺らぎ」

実際に有料情報を何度か購入してみましたが、そこで感じたのは精度の波というよりも、「根拠の不透明さ」からくる不安感でした。

競馬に絶対はありませんし、どれだけ優秀な予想家でも外れるときは外れます。それは承知の上ですが、私が重視しているのは、外れた時の「納得感」です。軸馬が大きく崩れた際、その馬を選んだ明確なロジックが事前に示されていれば、外れても自分の糧になります。しかし、提供されるのは買い目のみ。結果的に外れた際、なぜその馬が走ると考えたのかという検証が自分の中で行えず、ただ資金が減っていくという感覚だけが残りました。

時折的中が出ることもありましたが、それが継続的なロジックに基づいたものなのか、それとも偶然の産物なのかが判別できず、次に投資する際の自信には繋がりませんでした。

サイトの運営姿勢に対する個人的な所感

「暁」というサイト全体を通じて感じたのは、ユーザーを納得させるための「物語」の作り方が非常に巧みであるということです。メールの文面や、サイト内での的中実績の見せ方など、期待感を抱かせる仕組みは非常によく練られています。

しかし、その「期待感」と、実際に自分が参加した際の「実態」の乖離をどう受け止めるかが、このサイトの評価を分けるポイントだと感じました。

最新情報を追っている姿勢は評価できますが、それが馬券の回収率に直結しているかと言われると、私の経験上では首を傾げざるを得ません。的中実績についても、自分が参加していないプランだけが大きく当たっているという状況を何度も目にすると、精神的に少し疲弊してしまいました。

広告的な表現や煽りに対する距離感

私がこのサイトを使い続ける中で最も気になったのは、言葉の強さです。

「玉木 競馬メモ」では常にフラットな視点を心がけていますが、このサイトから送られてくる案内は、次第に「今、参加しなければ損をする」といった、ユーザーの焦燥感を煽るような色合いが強くなっていきました。

私が好むのは、馬の体調や血統、コース適性を淡々と分析する職人のような予想です。暁の提供スタイルは、それとは少し対極にある、情報屋としてのビジネスモデルに特化しているように見受けられました。

全体を通しての気づき

今回の数週間にわたる利用で得られたのは、ある種の勉強代だったのかもしれません。

良かった点としては、自分にはない視点の馬が買い目に含まれていた際、新たな気づきを得られたことが数回ありました。また、サイト自体は使いやすく、情報の受け取りにおいてストレスを感じることはありませんでした。

一方で気になった点は、やはりコストパフォーマンスと納得感の欠如です。決して安くはない対価を支払って得られるものが、買い目という「結果」だけであり、そのプロセスがブラックボックス化されていることは、真剣に競馬と向き合いたい人間にとっては物足りなさを感じさせます。

結論:私の判断

さて、長々と書いてきましたが、結論を申し上げます。

私にとって、競馬予想サイト「暁」の評価は、一言で表すなら**「非常に微妙」**です。

決して全てが悪いわけではありませんし、実際に利益を得ている方もいらっしゃるのかもしれません。しかし、私の投資スタンスや、競馬に対する価値観とは、合致しない部分が多いというのが正直なところです。

  • 納得感の欠如:なぜその馬なのか、という論理的な裏付けを感じにくい。

  • 煽りの負担:担当者からの案内メールが、私の感覚からすると少し過剰。

  • 再現性の低さ:的中しても「次も同じように当たるとは思えない」という不安が常に付きまとう。

以上の理由から、今後のリピート利用はしないことに決めました。

私はやはり、自分の手で競馬新聞を広げ、過去のレース映像を何度も見返し、自分なりのロジックを組み立てていく、泥臭い競馬の楽しみ方に戻りたいと思います。誰かの用意した買い目に一喜一憂するよりも、自分の責任で選んだ一頭がゴール板を駆け抜ける姿を見る方が、私には合っているようです。

「暁」を検討されている方は、そのサイトが掲げる華やかな実績だけでなく、そこに至るまでの過程に自分が納得できるかどうか、一度立ち止まって考えてみることをお勧めします。

競馬は本来、自由で楽しいものです。情報に振り回されるのではなく、情報をどう扱うか。今回の経験を通じて、私自身も改めてその重要性を再認識させられました。

皆様の競馬ライフが、より納得感のある、充実したものになることを願っています。本日はこの辺りで筆を置かせていただきます。