
蜷川幸雄演出、シェイクスピアのローマ史劇「コリオレイナス」。
出演者はタイトルロールに唐沢寿明、その母に白石加代子、敵のオーフィディアスに勝村正信、その他舞台ではおなじみの吉田鋼太郎、瑳川哲朗、宝塚出身の香寿たつきなど。
幕が開くと、客席の私たちが写っている鏡。
意外な幕開けに「おぉ~っ!」と客席がどよめいたかと思うと、一瞬にしてその内側にいる役者たちが素通しになる。
あれってハーフミラーなのか?
照明の具合でそんなふうなワザができるのか?
意外な幕開けに「おぉ~っ!」と客席がどよめいたかと思うと、一瞬にしてその内側にいる役者たちが素通しになる。
あれってハーフミラーなのか?
照明の具合でそんなふうなワザができるのか?
とにかくのっけからこんな摩訶不思議な演出でモってかれちゃうお手軽な私(笑)
貴族のコリオレイナスは数々の武功を立て、執政官(共和制ローマにおける最高責任者)候補にまでなりますがそのあまりのプライドの高さから平民たちの反感を買い、ローマを追放されます。
「今日のローマの平和は自分が戦って来たおかげではないか」と考えるコリオレイナスはローマへの激しい復讐心に燃え、かつて完膚なきまでに打ちのめした宿敵オーフィディアスと手を組み、ローマ復讐を企てます。
「今日のローマの平和は自分が戦って来たおかげではないか」と考えるコリオレイナスはローマへの激しい復讐心に燃え、かつて完膚なきまでに打ちのめした宿敵オーフィディアスと手を組み、ローマ復讐を企てます。
ワタシ的には、貴族としてのプライドが高く、自分の意に沿わないことは決してしようとしないコリオレイナスの強情さというか、世渡りのヘタさにいささか呆れ、「どうしてちょっとくらい平民におべっか使えないのか?」「政治家ってそんなモンだろ?(笑)」と思ったし、また、敵側のオーフィディアスにしても、かつてコリオレイナスにこてんぱんにやられ、苦しめられたにもかかわらず、コリオレイナスが「一緒に手を組んでローマを滅ぼそう!」と言ってきたらやすやすと彼を受け入れる、ってトコロがどうにも理解しがたく・・(^_^;)
まぁ、そこんところは抜きにしても、階段上で繰り広げられる迫力ある殺陣(とくに唐沢と勝村の一騎打ちはド迫力!)は「スゴイ!」の一言だし、歌舞伎の襖絵をヒントにしたという演出や日本やアジアを意識した衣装(おまけに刀は日本刀だし)はすばらしいし、「はぁー、コレが世界のニナガワの舞台かぁ~~♡」と堪能しましたよ(*゜∀゜)b
↑実はもう20年近く前に一度ニナガワの「王女メディア」(平幹二朗主演)見てるんですが、あんまり覚えてないんですよねー・・昔過ぎて(爆)
しかし今回一番印象に残ったのは白石加代子。
彼女の存在感たるや、その後姿からでもキョーレツなものを感じました。
彼女の存在感たるや、その後姿からでもキョーレツなものを感じました。
また、シェイクスピア独特の、もって回ったような(たとえ方がまだるっこしかったりして)小難しいセリフも、彼女の口から発せられるとまるでカラダにしみこんでいくかのようになぜだかよくわかる(笑)
随分前に彼女がシリーズでやっていた「百物語」という、怪談やフシギな話を一人で朗読する舞台を2度見たことがあるんですが、その時にキョーレツに感じた、彼女の「想像力を掻き立てるような声と語り方のすばらしさ」や(彼女が朗読する文章に使われた)「言葉そのものの持つ力」ってのを今回思い出しました。
きっと白石加代子という女優さんは、「言葉」というものをとても大事に考える人なんだと思います。
だからこそ彼女の発するセリフはすーっと自然に入ってくるのだと。
だからこそ彼女の発するセリフはすーっと自然に入ってくるのだと。
下世話な話でキョーシュクですが(笑)、今回のチケットは1万円超え。
ミュージカルだとそれくらい珍しくないし、歌舞伎はもっと高い。
だけどストレートプレイで1万円を超えるとなるとそうはない。
それだけに「つまらんかったら許さんゾ」と思ってたんですが(^_^;)、その価値は十分過ぎるほどにありました。
ミュージカルだとそれくらい珍しくないし、歌舞伎はもっと高い。
だけどストレートプレイで1万円を超えるとなるとそうはない。
それだけに「つまらんかったら許さんゾ」と思ってたんですが(^_^;)、その価値は十分過ぎるほどにありました。