第65話 宗教戦争【中編】
まずは当番團員が、客人のお飲み物を用意するのですが、この日の当番は精鋭揃いの当時の我が團員の中でも屈指の問題児でありまして、英語はおろか日本語すら怪しい男でありました。予想を裏切る事なく不安は的中し
「Are you 珈琲?」
と希望する飲み物を確認する始末。彼の英語力より遥に高い日本語力を持つマイクが苦笑しつつも優しく対応して下さり円滑に事は推移致します。
「Are you 珈琲?」
と希望する飲み物を確認する始末。彼の英語力より遥に高い日本語力を持つマイクが苦笑しつつも優しく対応して下さり円滑に事は推移致します。
さて、海外大学情勢には疎い我が團の者でさえ聞いた事がある米国の某有名大学より来ているというマイクとナンシーが、なぜよりにもよって我が團を訪問したのか、その点を問うたところ、彼らは米国人らしくアメリカンフットボールの大ファンでありまして、日本でも関西地区の大学ではアメフトが盛んだと言う事を聞き及び興味を示したとの事でありました。
不幸にして古田幹部の大学のアメフト部ははその年、2部リーグに甘んじておりまして、本場のプレーを見て目の肥えた彼らを満足させる様な試合を見せるなら、1部リーグの強豪チームのゲームを観てもらうに限る、という結論に古田は至ったとの事でありました。
なるほど、と思ったのも束の間、よく考えれば、我が校もその年は2部リーグでありまして、
「趣旨は分かったが、それで何故ウチなんや?」
そんな事なら自分達だけで行けばいいのに、と思うのが一般的な感想だと思われます。無論、当時の当事者もそう思ったはずであります。さりながら当人を連れて来られて頼まれると、他に用事もある訳でもない中、なかなか断れないものでありまして、ついつい「OK,Let's go!」等と言ってしまったのであります。【以下次稿】
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会