学生服【中編】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

学ランが流行する前の学生服、これが実は意外とお洒落でありまして、学ランになってからでも既製品が出回るまではこの粋さを継承していたのであります。
かつての應援團の学生服はその殆どがオーダーメイドでありまして、テーラーで作っておりました。神戸は日本で初めてテーラーが出来た街でありまして、その元祖で言われる元町の柴田音吉洋服店で誂えるのが夢でありました。もっとも大卒初任給をそっくり注ぎ込んでも作れない料金設定でありましたので、夢を叶えた人間は少ないのでありますが。

應援團や体育会に所属していなくとも学生服を着用するのが大学生の一般的な姿であった時代がありましたので、学生服を誂える需要がそれなりにあった訳であります。息子の大学入学祝いに父親が行きつけのテーラーで学生服を誂えてやる、という光景も見られた様です。

よって元々の学生服は、製造元を同じくするスーツの延長線上にありまして、スーツを着てらっしゃる方ならわかるかと思いますが、時代によって細身のものが流行ったり、それこそ学ランの様なゆったりしたシルエットのものが流行ったり、変遷はあるものの、良くも悪くもスーツの枠組みから外れる様な大きな変形はなかったのであります。
それこそポケットの形にこだわってみたり、ステッチを入れてみたり、上級生になると、より濃い黒色の高級生地で誂えてみたり、とパッと見ただけでは分からないところに当人のこだわりがあったりしていた訳であります。【以下次稿】
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八代目甲雄会広報委員会