本山村怪々奇團【48】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

第48話 起て!甲南の怪男児【前編】

過日、卒業式をテーマに一話、書かせて頂きましたが、卒業式に纏わる珍話を披露致したいと存じます。

ある年の卒業式、この年は應援團幹部全員が無事、卒業出来るという見通しが、早い段階から分かっていた年でありまして、下級生としては式当日に先輩がいるだのいないだのと騒ぐ必要はなく、追い出しコンパの予約も人数が確定し極めてスムースというご利益がある訳であります。

ところがそこは我が團でありますので、問題が発生します。
「○○團長(正確には前團長でありますが)がおらん」
という訳であります。卒業式を遡ること約4か月前に應援團を引退と同時にパンチパーマをサラサラヘアに変え、学ランを脱ぎ捨て似合わぬ私服に身を包み、失った大学生生活を取り戻す努力を行う者がいない訳ではなく、見た目で先輩を探し出す事が困難なケースがある事は事実であります。

とは言え卒業式が行われる体育館の出口は一か所のみ、團員を出口付近に散開させれば発見必至の状況でありますが、この年は前團長がどうしても見つかりません。
いつの頃からか式を終え体育館を出てきた先輩を捕まえ、その場で胴上げするという風習がございましたので、ここで先輩を発見できない、というのは致命的な失態である訳であります。

発見できた前團長以外の先輩を次々と胴上げし、横目で前團長を懸命に捜索しますが、嫌という程、目に焼き付いているあの姿は見えません。

新幹部である3回生は狼狽し、引き続き前團長を捜索する様、指示し、他の前幹部の先輩方にも前團長の消息をご存じないか尋ねてみますが、誰も存じ上げず、下級生の懸命の捜索も空しく、発見出来ませんでした。

甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会